2003 Fiscal Year Annual Research Report
低出生体重児を育てる母親の癒しと効力感を高めるための継続的な看護援助に関する研究
Project/Area Number |
15791318
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Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
小林 孝子 大阪府立看護大学, 看護学部, 講師 (70305671)
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Keywords | 低出生体重児 / 母親 / 学齢期 / 適応 / 看護 |
Research Abstract |
低出生体重児の母親の心理面に着目した研究は、出生後1年までの研究が殆どである。長期的な視点で母親がどのような心理や適応に至るのかを明らかにするため、学齢期に達した低出生体重児の母親を対象に面接調査を実施した。対象は子どもに大きな問題はなく、安定した状況にある6名の母親であり、半構成的な面接法を用いたデータ収集を行い、その内容のカテゴリー化を行った。分析の結果、母親の心理的適応は【親として存在する】【人として成長する】【小さく生まれたことの意味づけをする】の3つのカテゴリーに分類された。【親として存在する】は入院や早産、発達のリスクを抱えながら子育てを経験する中で育まれ培われてきたものであり、〔愛おしむ〕〔子どもの環境を整える〕〔親としての責任を界たす〕のサブカテゴリーで構成された。【人として成長する】は、入院生活やそれに続く低出生体重児の出産、NICUでの経験、疾病や障害の心配、未熟児の子育てなどの様々な困難や困難な状況におかれた人々と接する中で生じた母親の内面の変化であり、〔人の痛みがわかる〕〔自分の人生を見つめる〕のサブカテゴリーで構成された。【小さく生まれたことの意味づけをする】は、小さく生まれたことについて肯定的な意味を見出していたものであり、〔私のために生まれてきてくれた〕〔子どもをもてることのありがたさ〕〔大切な生きてきた証〕のサブカテゴリーで構成された。また、母親の心理的適応を強化する要因として【子どもとの絆】【子どもの成長】【家族の支え】【話を聴いてくれる人の存在】の4つのカテゴリーが抽出された。 長期的な母親の適応を促すためには、母親を親としての存在とともに人としての存在としてとらえながら、小さく生まれたことについて肯定的な意味づけができることを目指し、適応を強化する因子がさらに強められるようなアプローチを行っていくことが重要であるという示唆が得られた。
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Research Products
(1 results)