2003 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の疼痛マネジメントの充実に向けた卒後教育プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
15791324
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
小島 悦子 天使大学, 看護栄養学部, 講師 (00326612)
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Keywords | がん性疼痛 / 看護師の知識 / 困難 / 実態調査 |
Research Abstract |
道内における看護師のがん疼痛マネジメントに関する知識および困難の現状を明らにすることを目的に調査を実施した。調査票の作成にあたり、道内に存在するホスピスケア認定看護師およびがん性疼痛認定看護師4名から、がん疼痛マネジメントにおける困難の経験とコンサルテーションを実施する中で受ける相談内容について、一人につき一回のインタビューを行い、看護師が感じる困難についての項目を抽出した。文献および先行研究、インタビューから抽出した項目をもとに、がん疼痛マネジメントに必要な知識37項目、実践で感じる困難23項目、基礎情報12項目からなる調査票を作成した。調査は、S市内にある緩和ケア病棟に対し、事前に調査への協力を文書で布した。調査票の回収は個別郵送で行い、回収率46.5%であった。回答者は68%が看護専門学校卒であり、43%が疼痛マネジメントに関する研修受講の経験があり、68%が入院患者の5割以上がん患者である病棟で勤務し、89%がほぼ毎日がん患者の看護にあたっていた。知識の項目で30%以上が「知らない」と回答したのは8項目で、モルヒネの適量の目安や効果時間に関すること、レスキューの使用に関すること、痛みの特徴とそれに合わせた薬剤の選択に関することであった。また98%が何らかの困難を感じており、困難の項目で50%以上が「よく感じる」と回答したのは3項目で、患者が痛みをうまく表現できないときや、医師が患者の痛みの状況を把握していない時、複雑な痛みのある患者に関わるときなどであった。基本的な薬剤の知識と痛みの特長に関する教育の必要性が示唆された。(約780字)
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