2003 Fiscal Year Annual Research Report
周手術期看護の基礎的知識獲得を支援するコンピュータ学習教材(CAI)の開発
Project/Area Number |
15791326
|
Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
林 直子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (30327978)
|
Keywords | 周手術期看護 / 基礎教育 / CAI (computer assisted instruction) / 学習教材 |
Research Abstract |
15年度は、看護基礎教育過程において周手術期看護を実践する上で必要と考えられる知識について文献検討により抽出する作業を主として行った。周手術期実習において学生が困難に感じることを調査した先行研究では、手術・麻酔侵襲により急性状況にある患者の身体状況の変化について行けない感を抱く、あるいは急性期の患者を眼前に観察の要領を得ない、などの点が指摘されていた。特に基礎教育課程の学生は、病態や侵襲と患者の身体所見とを関連させることが困難であることが挙げられており、このことから手術侵襲、術式、麻酔と患者の身体状態との関連、患者の主訴、全身のアセスメント内容及び検査データから患者の情報と病態との関連を考えさせることの重要性が示唆された。これに対し、手術室見学演習を取り入れ、患者の侵襲を理解し共感を高めたとする調査、術直後の患者を実習室でシミュレーションし、学生がその場でケアを検討する試みの効果を検討した調査報告が示されており、教育現場での教授方法の工夫が伺えた。術後の患者問題を理解していることが、実習の場において学生の能力発揮、実習意欲の向上に繋がることも指摘されており、侵襲に対する生体反応への理解を強化する教材の必要性が示唆された。 一方わが国で現在利用可能な周手術期看護に関するCAIは、竹内らによる術後呼吸器系合併症に関するもの、手術室入室手順を扱ったもののみであった。 以上より、本研究では特に手術・麻酔侵襲に対する生体反応を患者の反応と関連させて理解することに焦点をあてた看護CAIを作成することとした。
|