2004 Fiscal Year Annual Research Report
住民のヘルスプロモーション活動強化のためのモデル開発-保健師による支援モデル提言-
Project/Area Number |
15791342
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中山 貴美子 神戸大学, 医学部, 助手 (70324944)
|
Keywords | ヘルスプロモーション / 保健師 / 実践モデル / 住民主体 / エンパワーメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、住民のヘルスプロモーション活動強化のために、保健師による支援モデルを開発することである。 研究は、四段階で行った。第一、二段階の目的は、ヘルスプロモーションのめざすゴールの明確化とその妥当性の検討であった。調査方法は、フォーカス・グループディスカッションであり、2回の調査を行った。調査対象者は、ヘルスプロモーション学識経験者3名と熟練保健師1名(1回)と、健康な地域づくりに熟練している住民5名(1回)であった。データ分析後、対象者に対し、妥当性の確認を行った。また、カナダのヘルスプロモーション先進地での研修を行った。 第三、四段階の目的は、活動モデル試案の作成とその妥当性の検証であった。方法は、質的・帰納的方法であった。対象者は、ヘルスプロモーション先進地域の保健師であり、面接による調査を行った。調査結果は、対象者に文書で提示し、妥当性の確認と意見に基づく修正を行った。 本研究の結果、ヘルスプロモーションがめざすゴールとして、コミュニティ・エンパワーメントの状態が明らかになった。その状態は、個人、対人関係、組織、地域の領域に大別され、相互作用がみられた。また、住民組織が、自ら社会資源となり、地域社会に働きかける状態がみられた。カナダの先進地研修では、カナダのヘルスプロモーション実践や、保健師に求められる能力等の情報収集を行い、海外事情として日本に紹介した。 さらに、住民のヘルスプロモーション活動を強化する保健師の活動には、「活動準備期」と「活動開始から主体的な活動確立まで」、「活動確立期」の過程がみられた。保健師の技術には、「住民が主体的に取り組むニーズを捉え」、「住民の参加と気づきを促す」という特徴がみられた。また、保健師は、「行政内で活動予算を確保する」、「行政職員に対して住民活動への参加を促す」等の、住民の活動を支援する環境を整備する技術を発揮していた。
|
Research Products
(1 results)