2003 Fiscal Year Annual Research Report
効果的な地域保健活動実施のための地域看護診断におけるアセスメント・ツールの開発
Project/Area Number |
15791348
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
高石 純子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (50289972)
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Keywords | 地域看護診断 / アセスメント / 保健活動 |
Research Abstract |
本年は、地域看護診断におけるアセスメント・ツールを開発する上で、概念枠組みを作成するための基礎的調査を実施した。方法としては、八丈島で保健活動を行っている保健師を対象とし、保健事業を企画・運営し、発展させてきたプロセスについて、インタビュー調査を実施した。フィールドを八丈島としたのは、(1)人口約1万人である地域診断や保健活動を実施するためには捉えやすい集団規模であること、(2)本土から離れた離島で地理的に独立していること、(3)独立した地域内に地区診断に必要な環境要因(自然環境、行政、産業、医療・福祉・保健サービス)が含まれていること等から選択した。そして、そのような地域の中で、八丈島の保健師は、一人で一つの事業を展開している。以上の理由により、八丈島の保健師の活動プロセスを明らかにすることから、地域看護診断のアセスメント・ツールとなる基本的な要素を抽出することを試みた。対象は、八丈島で活動する保健師は4名であったが、2名の東京都所属の保健師は2年毎で交替してしまうことにより対象から外し、2名の八丈町所属の保健師にインタビューを実施した。調査内容は、保健事業を計画するプロセスについて、事業を立ち上げるときの様々な条件、動機やきっかけ、住民の状況等の様々な条件をどのように結びつけて考え、判断し、事業を計画したのかについてである。結果は、現在、整理・分析の途上である。調査全体の印象としては、保健師が一つの事業を立ち上げていくプロセスは、保健師の日頃の活動の中からの気づきから発しており、その気づきは保健活動を通して個人の健康問題から集団の健康問題として確認され、事業化されており、実際の保健活動と連動されてアセスメントが展開されていた。今後、詳細に分析・検討する予定である。本調査の結果は、平成16年秋に開催される日本公衆衛生学会に発表する予定である。
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