2003 Fiscal Year Annual Research Report
マーシャル諸島共和国のリプロダクティブヘルス/ライツ増進のための戦略的介入
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15791361
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Research Institution | The Japanese Red Cross College of Akita |
Principal Investigator |
鈴木 圭子 日本赤十字秋田短期大学, 介護福祉学科, 講師 (10341736)
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Keywords | マーシャル諸島 / リプロダクティブヘルス / 健康教育 / 思春期保健 |
Research Abstract |
1.マーシャル諸島共和国における健康増進対策の問題点を明らかにするために、医療・教育関係者に対する現地の保健事情のインタビューと、同国の保健統計資料の分析を行った。その結果、同国の合計特殊出生率は5.7と大洋州の周辺諸国より高く、計画的な妊娠・出産をしていない女性が多いこと、青少年には性や生殖に関する正しい知識を得る機会が保証されていないことが明らかとなった。 2.同国青少年のリプロダクティブヘルスに関する知識と認識を評価するために、2つの主要高校の生徒(9〜12年生)を対象に質問紙調査を行った。調査内容は、思春期リプロダクティブヘルスの構成概念である知識・態度・行動、性行為の経験、性に関するモラル等および基礎的な属性とし、英文で作成した。質問の表現は、現地保健関係者、学校関係者の意見および予備調査結果をもとに修正した。調査はインフォームドコンセントを得た上で無記名にて行い、男女659名から回答を得た。分析終了後、現地関係者に直接、結果を説明する予定である。 3.リプロダクティブヘルスに関する教育を、学校教育の場を用いて行った。対象は調査回答者のうち学校の協力が得られたクラスの生徒とした。教育内容はビデオ・パンフレット・ポスターを用いて、青年期の身体変化、妊娠の成立、若年妊娠の問題、性行為感染症の解説を中心に行った。内容の構成は現地の統計情報などを用いて生徒に身近な内容とする工夫を行った。次年度は質問紙調査の分析結果をもとに青少年のヘルスリテラシー向上のための第2段階の健康教育を行うと共に、本年度の教育介入群と非介入群の比較研究を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 鈴木圭子, 本橋豊: "大洋州マーシャル諸島共和国住民の性と生殖に関する健康の状況"日本公衆衛生雑誌. 50・10. 932 (2003)
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[Publications] 鈴木圭子: "マーシャル諸島リプロダクティブヘルス増進の可能性"秋田県公衆衛生学雑誌. 1・1. 53-55 (2003)