2015 Fiscal Year Annual Research Report
ブータンと日本における多言語教育と生徒の学習への効果の研究
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15F14810
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 晶子 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (90467522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROBLES CHELSEA 名古屋大学, 国際開発研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 教育 / カリキュラム / 異なる知 / ブータン |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年6月には、ブータンガサ県の中学校で、約20名に対する聞き取り調査と、100名に対して質問票による調査を行った。結果は、現在執筆中の論文において、公表予定である。また、2016年2月には、インドネシアでのカンファレンスにおいて、研究の経過と成果を発表するとともに、バリ島のグリーン・スクールを視察し、同校が実施している持続可能性とグローバル市民に重きをおいた教育の方法について、知見を得た。 上記の調査を基にした現在執筆中の論文は、地域に根差したカリキュラムと多言語による教授法についてのものであり、その概要は以下のとおりである。 「現在の教授法とカリキュラムについての議論なかで、注目を集める一つの論点は、カリキュラムをどの程度地域の特性に合わせたものにするかというものである。地域の特性に合わせすぎれば、昨今のグローバル化した趨勢についていけないという結果をもたらすし、また、地域の状況からかけ離れたグローバルスタンダードのカリキュラムもまた、地域社会で生きていくのが難しい状況を作り出す。ブータン政府は、この両点を勘案し、カリキュラムを策定、実施しているが、本論文は、異なる知の体系が学校という場で合わさり、また、文化と地域の実情に合った学習過程がいかに構築されているかを解明するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に設定した研究の範囲をカバーできるだけの情報の収集はできつつある。また、研究の成果の発表もできている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、日本の学校において、ブータンで行ったものと同様の問題について調査を行う予定でいる。しかし、調査言語の問題等で、もしも実現しなかった時には、ブータンにおいて、追加の調査を行うことも念頭に置いている。
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