2015 Fiscal Year Annual Research Report
インド製造業の効率性・生産性と近隣効果に関する実証的研究
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15F15010
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
福味 敦 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (20379465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MALLICK JAGANNATH 兵庫県立大学, 経済学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | インド / 生産性 / 近隣効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インド各州における製造業の生産性の決定要因を、近隣効果に焦点を当てながら分析することにある。ここでいう近隣効果としては、地域間の交易や、技術や知識のスピルオーバーなど、近接しているがゆえの外部性を念頭におく。その実施にあたり、製造業の全要素生産性を州レベルで推計した上で、州間貿易、インフラ、R&D投資、産業集積状況、などのデータを収集・整備し、そのインパクトを分析することが中心となる。今年度は、こうしたデータの収集と推計に主に注力した。とくに申請者は全要素生産性の推計に豊富な経験を有するが、それらに基づき、インドの年次工業調査(Annual Survey of Industries: ASI)などのマイクロデータを用いて、予備的な推計を終了している。今年度は、こうしたデータを用いながら、州間格差との関連についてパイロット版の分析を行った。その成果の一部については、アジア開発銀行主催のカンファレンスやインド国内の国際学会での研究報告、日本国内の開発経済学関連の研究会(アジア経済研究会、RIEBセミナー)などでの報告に反映されている。一方、受入研究者は現在、インド電力部門の研究を行っているが、これまでの研究成果をもとに、州レベルの電力インフラに関する指標(送配電損失率・需給ギャップなど)の他、世界銀行の研究に基づきながら、州電力規制委員会の機能、電力事業体(発電・送電・配電)のガバナンスなど、インフラストラクチャーのより根本的な決定要因に関するデータの整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の核となるデータについては、その収集はほぼ終了したといえる。年度内に主要な推計結果をそろえる予定であったが、空間経済学的な実証のテクニックをもう少し深化させた上で、本格的な推計を行うべきであるとの判断の下、年度内は試行的な推計にとどめている。こうした若干の回り道はしているものの、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は前半に空間経済学的なアプローチに基づきながらデータを加工し、実証分析を行う。後半は論文の執筆と報告にあてられる。
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Research Products
(3 results)