2016 Fiscal Year Annual Research Report
ラメラ層を有するゲルを用いた、異方的イオン伝導体および光バイオ電池の設計と創成
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15F15043
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
グン 剣萍 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (20250417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAQUE MD 北海道大学, 先端生命科学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | ゲル / 合成二分子膜 / ラメラ構造 / イオン伝導 / 異方性 / チャネル / イオン液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究室では、柔軟なポリアクリルアミドゲルに人工二分子膜PDGIのラメラ構造体を組み込むことにより鮮やかな構造色を発するPDGI/PAAmゲルを創製しており、本研究ではその更なる機能化に取り組んでいる。本年度は以下のような成果を達成した。 1. プロセスのコントロールによる二分子膜構造の制御技術: これまでゲル内部におけるPDGI二分子膜の配向構造は手動でずりを掛けることにより行ってきた。しかし本方法ではずり速度の精密制御が不可能であり、ずり速度と得られる膜構造との関係が明らかではなかった。そこで本研究では回転式レオメーターによってずり速度を精密制御した。結果、一軸配向ラメラ構造を得るためのずり速度には閾値があること、またずり速度の向上に応じて二分子膜の配向の程度が向上することが、小角X線散乱測定による膜構造の解析により明らかとなった。また副次的にこれまで困難であったPDGI/PAAmの大面積化に成功した。 2. ゲル内部における物質拡散の次元制御: 生体内において、脂質二分子膜は柔軟ながらも物質透過性を厳密に制御している。これを参考に、PDGI/PAAmゲルにおいてPDGI二分子膜の配置や構造を精緻にコントロールすることにより、内部における低次元物質拡散制御を実現した。シート状のPDGI/PAAmゲル内部における物質の二次元拡散は既に達成されている。本年度は合成時におけるずりの掛け方を工夫し、PDGIのラメラ構造を多層シート状からチューブ状へとコントロールすることにより多層チューブ状の膜構造を有するPDGI/PAAmゲルを創製した。さらに本ゲル内部におけるチューブの軸方向に沿った物質の一次元拡散の実現に成功した。さらに膜構造の欠陥をコントロールすることにより一次元拡散の「完全性」(膜からの物質の漏れの度合)をも制御することに成功した。本研究は、原著論文として既に出版されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標の1つである低次元物質輸送について、二次元、一次元の物質輸送、さらにその制御を達成している。今後は、二分子膜への機能性素子、硬成分の導入による機能化を試みる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、まずPDGI層の構造的不安定性を解決するため、脂質膜の化学種改善を試みる。PDGIの原料であるDGIは一本のアルキル鎖を疎水基として有するが、生体のリン脂質は通常二本のアルキル鎖を疎水基として有し、またその集合体は安定である。そこで、アルキル鎖を2本有する新たな両親媒性分子を合成し、DGIと混合することで、膜の構造的安定化を試みる。また二分子膜の両親媒性の性質を活かし、各種両親媒性機能分子を二分子膜中に導入することで、ゲルの機能化を試みる。 次いで、真珠層を模倣した、PDGI/PAAmからの液体の除去による強靭化を試みる。真珠層は、主にタンパク質による有機層と主に硬いミネラルによる無機層の積層体であり、非常に破壊に対する抵抗力が高い複合材料である。本PDGI/PAAmゲルを脱水し、PAAm層をミネラル様に硬くすることにより、真珠層を模倣した強靭な層状材料を合成し、その破断挙動を調べる。
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Research Products
(12 results)