2015 Fiscal Year Annual Research Report
引張応力および静水圧下における培養細胞の力学刺激受容の時空間的解析
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15F15104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛田 多加志 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50323522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RYAN KATIE 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 動的ひずみ負荷 / リアルタイムイメージング / 静水圧負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
培養細胞に20%ひずみまで負荷可能であり,かつひずみ負荷下で顕微鏡の60倍の対物レンズの視野中に細胞像を保持するためのアルゴリズムの開発を行った.具体的には,予備ひずみを負荷したときのデータを元に20%ひずみにおける細胞の移動量を推測し,それを補正するデータをX-Yステージに入力するアルゴリズムと,ひずみ負荷に伴う培養面のZ方向の移動を基質材料のポアソン比から推定し,対物レンズのZ方向の位置をピエゾ素子を用いて補正するアルゴリズムとを組み合わせた.一方,培養細胞としてkeratinocyteを用い,keratinocyte同士の接着の関わる分子およびkeratinocyteと基質との接着に関わる分子について,ひずみ量およびそれを動的に負荷した時の周波数を変化させながら,RT-PCRを用いた遺伝子発現の定量および蛍光イメージングにより関連の分子の細胞膜上の局在状態,構造化の状態を可視化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動的なひずみ負荷下で培養細胞を可視化するためのアルゴリズムを開発し,それをX-Yステージおよび対物レンズ駆動用ピエゾ素子に組み込むことで可視化システムを構築することができた.また,培養細胞としてkeratinocyteを選択し,目的の分子の遺伝子発現や局在化,構造化が生ずるための動的なひずみの条件を探ることができた.この条件を元にリアルタイムイメージングシステムでの可視化実験を実施する目処が立ったため.
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Strategy for Future Research Activity |
動的なひずみ負荷下で培養細胞を可視化するためのシステムと平行して,静水圧負荷下での培養細胞の可視化システムの開発を進める.具体的には,20MPaの静水圧負荷が可能であるチャンバーを設計・制作し,サファイアウィンドウを通して静水圧下の培養細胞の可視化を実現する.これら2種類の可視化システムを用いて,物理刺激の受容メカニズムについて時空間的な解析を進める.
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