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2015 Fiscal Year Annual Research Report

イオン液体を前駆体とする新規炭素材料開発

Research Project

Project/Area Number 15F15349
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

渡邉 正義  横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60158657)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) ZHANG JIAHENG  横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
Project Period (FY) 2015-11-09 – 2018-03-31
Keywords溶媒和イオン液体 / 炭素材料 / 有機塩 / リチウムイオン電池 / ナトリウムイオン電池
Outline of Annual Research Achievements

炭素材料は科学的にも工業的にも様々な分野で広く用いられている材料であり、例えば触媒、ガス分離、エネルギー貯蔵/変換などで注目を浴びている。一般的に炭素材料は有機前駆体の炭素化によって作製されるが、これらの前駆体は低蒸気圧を持った物質や合成高分子などで利用に制限がある。そのため高分子前駆体の場合は複数段階の合成が必要であるため、時間的な制約がある。
本研究では我々は窒素含有前駆体である有機塩を合成した。まずピクリン酸をブロンステッド酸として選択し、高い炭素含有量を示す有機塩基(アゼピン誘導体やフェニルアミン)と反応させた。得られた塩は高い熱的安定性を示し、安全に取扱いできた。得られた有機塩の同定はIR,1H NMR, 13C NMRで行い、これが窒素含有炭素材料前駆体として適していることが分かった。
そして最近では、有機塩を用いた二次電池(リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池)用電極材料への適用に注力している。本研究の発展として我々は4,4'-スチルベンジカルボン酸のナトリウム塩を合成した。さらにこのナトリウム塩を有機電極材料として、溶媒和イオン液体である[Na(G5)][TFSA](ペンタグライムとNa[TFSA]の等モル混合物)を電解液として組み合わせることでコインセルを作製し、充放電試験を行った。この電池は可逆な充放電を示し、電流密度が50mA/gで210 mAh/gであった。200サイクル後でも130 mAh/g程度の容量を維持することを明らかとした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

進捗状況については、当初の計画通り、炭素材料前駆体であるイオン液体(有機塩)の組み合わせのスクリーニングを開始しており、徐々に結果が収集できている。
そして、当初提案した研究の発展として有機塩をナトリウムイオン電池の有機電極材料に適用し、コインセルを試作した。充放電試験の結果、比較的高い充放電容量を観測でき、そしてサイクル特性も比較的良好であることが確認できたため、全体として「おおむね順調に進展している」と考えている。

Strategy for Future Research Activity

まず炭素材料前駆体である有機塩の最適化を今まで通り進めていく。通常炭素化は前駆体をるつぼに入れ、管状炉にて行うが、その焼結温度や時間を制御することで得られた炭素材料の性質を整理する。さらに銅粉末、酢酸銅、過塩素酸ニッケルのような触媒を利用した炭素化にも着手する。得られた炭素材料の結晶化度、窒素含有率、比表面積、孔径分布などを緻密に調査し、さらにCO2などの吸着挙動についても検討を行う。
そして、有機電極材料に関する検討も並行して行う。昨年度用いた以外の溶媒和イオン液体を新たに創製し、電解液に適用する。それを作製した有機塩を電極材料として用いコインセルを試作する。従来有機電極の欠点はその低い電子伝導性にあった。そこで従来はPVdFをバインダー高分子として用いていたが、導電性高分子を適用することでその弱点を克服することを目指す。さらに新規ナトリウム有機塩の作製にも取り組む。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 渡邉・獨古研究室HP

    • URL

      http://mwatalab.xsrv.jp/

URL: 

Published: 2016-12-27  

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