2016 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光・太陽熱同時利用システム用高性能な発泡金属冷却器に関する研究
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15F15361
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
党 超鋲 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (30401227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHU YU 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 太陽エネルギー利用 / コジェネレーションシステム / 発泡金属 / 沸騰伝熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高集光倍率太陽電池の高効率な冷却手法として、高熱流束条件における発泡金属構造内部の流動沸騰特性の解明と高効率な冷却器を開発を行う.H28年度は、冷却器の開発、実験システムの構築と予備実験を行った.実験サイクルは水を冷媒としたポンプ循環サイクルである.冷却器は銅製のブロックの上に、50mm×10mm×1㎜の溝を掘り、その中に発泡金属を充填する構造とした.発泡金属は銅ブロックとロウ付けで接合して、水を流して銅ブロックの冷却を行った.また、100Wのカートリッジヒーター10本を銅ブロックに挿入して加熱を行い、発泡金属の上にガラス製の可視化窓を設けた. 単相の水および沸騰伝熱の特性を実験的に調べた.加熱量は400Wの条件において、質量速度の増加に従い、熱伝達率が増加する結果が得られた.単相の熱伝達率は2000~5000W/m2K程度に対して、二相領域においては、熱伝達率は7000~9000程度であった.また,熱流束の増加によって二相領域の熱伝達が低下し、圧力損失が増加する結果が得られた. 予備実験の結果から、銅ブロックから入口および出口への熱漏れが大きいことが分かった.その熱流束の測定誤差により、熱伝達率の正しい評価が困難になり、加熱ユニットの再設計が必要である.また、熱流束の増加により、熱伝達率の低下および圧力損失増加の結果が得られたが,下流に向けてドライアウトの発生が原因であり、異方性発泡金属構造の導入が有効だと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験の結果から、銅ブロックから入口および出口への熱漏れが大きいことが分かった.その熱流束の測定誤差により、熱伝達率の正しい評価が困難になり、加熱ユニットの再設計が必要である.また、熱流束の増加により、熱伝達率の低下および圧力損失増加の結果が得られたが,下流に向けてドライアウトの発生が原因であり、異方性発泡金属構造の導入が有効だと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究目的は、高熱流束条件における発泡金属充填流路内の二相流動と伝熱特性の実験計測を行い、熱流束、質量速度および流路形状における沸騰伝熱性能の評価および沸騰伝熱促進手法の確立を行う。 高熱流束条件における発泡金属内の気泡の核生成、生長、離脱と流路内の流動特性を実験的に把握し、沸騰伝熱特性への影響を調べるため、(1)発泡金属の表面改質手法の確立。発泡金属の骨格の親水化および撥水化処理を行う。その表面特性により気泡核生成と気泡移動への影響を評価する。 (2)高速度カメラにより高熱流束条件での発泡金属内での気泡の生成と運動プロセスの可視化観察。特に気泡核の生成、気泡の成長と離脱、気泡の運動および骨格との衝突過程の可視化観察により、理論計算の妥当性を検証する。 (3)各熱流束、質量速度条件における発泡金属内の沸騰伝熱特性の実験計測を行い、理論モデルとの比較により、伝熱メカニズムの解明と最適な形状の検討を行う
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