2015 Fiscal Year Annual Research Report
環境材料として機能化した層状複水酸化物ナノシートの設計
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15F15380
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹木 圭子 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30311525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAULMANICKAM KOILRAJ 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 層状複水酸化物 / ディラミネーション / ナノシート / コロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
Mg2Al型ナノシート状層状複水酸化物(LDH)を合成し、TEM観察,ヒ酸吸着速度、ヒ酸吸着容量のキャラクタリゼーションをおこなった。Mg2Al型ナノシート状層状複水酸化物(LDH)の表面電位は47.4 mV、TEM観察による平均径は108.1 ± 2.3 nmであり、六角盤状の形状をなしていた。AFMによって測定したナノシートの厚さはおよそ3~7 nmであり、およそ4~10層の金属層が集まっているナノシートが形成された。ヒ酸吸着容量は粉末状LDHよりも大きな値が得られ、1.21 mmol/gであった。モル比LDH/Asによって、ヒ酸の吸着メカニズムは変わっていった。モル比LDH/Asが低い場合には、ヒ酸吸着は主にナノシート間をヒ酸イオンが結びつける積層によって起こるが、モル比LDH/Asを高くすると、ナノシートの積層が妨げられた。これをセミパイロット試験にて2ヶ月のパフォーマンスのモニタリングを行った。 もう一つのナノシートLDHとしてアミノ酸を修飾したLDHを水熱法により合成した。サイズや形状は上記と同様で、FT-IRおよび 1H-NMRによりアミノ酸の配位状態を推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロイド状ナノシートの合成に成功しており、セミパイロット試験により長期ヒ酸除去のパフォーマンスを試験している。成果は国際ジャーナルに投稿中である。もうひとつのアミノ酸アンカー型層状複水酸化物ナノシートも合成と一部のキャラクタリゼーションは完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
1) アミノ酸アンカー型層状複水酸化物ナノシートを重金属(Cu, Ni, Co, Zn, Hg, Pb)の除去に応用。pH、対象イオン濃度、選択性を検討する。 2) アミノ酸アンカー型層状複水酸化物ナノシートのキャラクタリゼーションを行う。 3) キレートリガンドが捕捉した金属イオン(Fe2+、Ni2+、Au+)の還元により、Fe, Ni or Au ナノ粒子を担持したLDHナノシートを合成し、その特性化をおこなう。 4) ナノ粒子を担持したLDHナノシートにより、オキソ陰イオン (ClO4-, CrO42-, SeO42-AsO43-)の還元を行う。 5) 上記のメカニズムをEXAFS 、XPSを用いて考察する。
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Research Products
(6 results)