2015 Fiscal Year Annual Research Report
魚類における組み換えサイトカインを用いた細胞性免疫の誘導
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15F15398
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中西 照幸 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00322496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAVANEETHAIYER UMASUTHAN 日本大学, 生物資源科学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | サイトカイン / IL-12 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、細胞性免疫において重要なサイトカインであるインターフェロンγ(IFNγ)及びインターロイキン12(IL-12)の組み換え体及び抗体の作製法、並びに免疫磁気法によるT細胞サブセットの分離法を修得することを目的とした。 1.ギンブナには哺乳類と相同なIFNγに加えて、魚類特有のIFNγ(IFNγrel)が存在する。しかも、コイ科魚類にはIFNγ及びIFNγrelには2種類のアイソファームが存在し、併せて4種類のIFNγ(IFNγ1, IFNγ2, IFNγrel1, IFNγrel2)が存在する。既に滞在している研究室において、これらの4種類のIFNγについて組み換え体及び抗体が作製されており、共同研究者の指導の下に、組み換え体の作製法及び抗体の精製法を修得した。 2.IL-12は、p35及びp40の2量体から構成されている。しかも、p40には4種類のアイソフォーム(p40A, p40B, p40C1, p40C2)が存在する。そこで、先ず、p40より4種類のアイソフォーム遺伝子を単離し、p35及びp40の4種類のアイソフォーム遺伝子をHela細胞に共発現させることに成功した。しかし、p40Bの発現が弱く、p35及びp40の2量体形成についてはまだ確認できていない。 3.免疫磁気法によるT細胞サブセット分離の予備実験として、モノクローナル抗体を用いた免疫染色によるCD4陽性ヘルパーT細胞及びCD8陽性細胞障害性T細胞の解析法を修得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IFNγの組み換え体の作製法及び抗体の精製法並びにモノクローナル抗体を用いた免疫染色を修得した。また、p40の4種類のアイソフォーム遺伝子をギンブナより単離するとともに、これらのアイソフォーム及びp35遺伝子をHela細胞に発現させることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に作製したIFNγ及びIL-12の組み換え体及び抗体を用い、修得したT細胞サブセットの分離法を駆使して、下記の課題について検討する。 1) 4種類のIFNγのCD8陽性細胞障害性(キラー)T細胞の活性化に及ぼす影響解析:免疫磁気法により分取したCD8陽性細胞障害性T細胞に、ギンブナにおける4種類のIFNγの組み換え体を添加し、T細胞の活性化について検討する。2) 4種類のIFNγのマクロファージ及び好中球の活性化に及ぼす影響解析:免疫磁気法により分取したマクロファージあるいは比重勾配遠心法により分離した好中球に、上述のギンブナにおける4種類のIFNγ組み換え体を添加し、活性化に及ぼす影響を解析する。
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