2017 Fiscal Year Annual Research Report
核外移行機序を標的とした新規インフルエンザ薬の同定
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15F15416
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
間 陽子 国立研究開発法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 研究員 (50182994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHUTIWITOONCHAI NOPPORN 国立研究開発法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-10-09 – 2018-03-31
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Keywords | Influenza A virus / Influenza B virus / NP / CRM1 / nuclear export / smoll molecule / エイズウイルス / Rev |
Outline of Annual Research Achievements |
表面抗原と異なり変異が起こりにくいインフルエンザウイルスの核内蛋白質Nucleoprotein(NP)の核外移行シグナルと核外移行宿主因子CRM1との結合を阻害することで検査した全てのインフルエンザAおよびB分離株のウイルス複製を阻害するDP2392-E10化合物を取得した。さらに、東大創薬機構からデータベースに登録されているDP2392-E10の構造類縁体5化合物の提供を受け、そのうち10mMで入手可能であった4化合物についてプラーク法によるインフルエンザウイルス複製阻害能の測定を行った。その結果、1化合物は複製阻害能が認められた(IC50=27.26M)。複製阻害能を示した化合物はDP2392-E10と同様のピラゾール様骨格を持つのに対し、阻害能を示さなかった化合物はいずれもピラゾール様骨格が2-ピラゾリン様骨格となっており、それにより3次元構造が変化し、活性を失ったと考えられた。また、DP2392-E10のベンゼン環パラ位のニトロ基をフッ素に置換した構造を持つ化合物がDP2392-E10と比べ、弱い複製阻害能を示したことから、構造関連相関による構造最適化およびリード化合物の創製が可能であることが示された。 さらにDP2392-E10は宿主因子のCRM-1に結合し、ウイルスタンパク質の核外移行を阻害することから、すべての亜型のインフルエンザに加え、CRM-1依存的ウイルス複製を行うウイルスに対しても効果を示すことが考えられた。ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)のRevタンパク質はCRM-1依存的核外輸送によりウイルス複製に関与することから、DP2392-E10によるHIV-1複製阻害能についてp24-ELISA法による検討を行った。その結果、DP2392-E10はHIV-1複製阻害能を示すことが明らかになった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)