2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15F15720
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
依光 英樹 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00372566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARALLE ALEXANDRE 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | インドール / プメラー反応 / 酸無水物 |
Outline of Annual Research Achievements |
トリフルオロメタンスルホン酸無水物をケテンジチオアセタールモノオキシドに作用させ、対応するスルホニウム塩を発生させる。これをアニリンで捕捉してインドール骨格を構築する手法の開発を行った。反応条件を精査していたところ、インドール骨格とは別の含窒素環状化合物が得られることを偶然見出した。この予期せぬ生成物は単純な生成物ではなく、現在この環状化合物の構造は不明である。X線結晶構造解析を鋭意行っており明確な答えを示すべく尽力している。 なお、インドール骨格の構築に際しては、フローマイクロリアクターの利用が有効であることを予備的に認めている。不安定中間体の発生と反応に関与する反応温度、滞留時間(反応時間)および反応溶媒を重点的に検討して効率向上を図っている。またケテンジチオアセタールモノオキシドの代わりにビニルスルホキシドを利用しても反応がうまくいくことを確認しており、より一般性の高い反応に仕上がりつつある。 もうひとつの新たな展開として、アリールスルホキシドのプメラー型芳香環スルファニル化も発見した。アリールメチルスルホキシドとアリールメチルスルフィドの混合物に対してトリフルオロメチルスルホン酸無水物を作用させると、活性化されたアリールスルホキシドのパラ位にスルフィドが求核攻撃し、対応するp-(アリールスルファニル)アリールメチルスルフィドが得られた。これは付加型プメラー反応の一種であるが、求核剤としてスルフィドを用いた例は初めてであり、芳香環にC-S結合を導入する新たな手法である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インドールとは異なる骨格の生成物が予期せず得られているが、研究の方向性は概ね申請のとおりである。また新たにアリールスルホキシドのプメラー型芳香環スルファニル化も発見しており、予想外の広がりを見せている。
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Strategy for Future Research Activity |
インドールとは異なる骨格の生成物の構造決定を急ぎたい。 同時に、インドール構築法の確立にも尽力し、その応用展開を図りたい。具体的には、C型肝炎ウイルス増殖抑制作用を有するインドール誘導体の短行程超高効率合成、ならびに、蛍光性ビフェニレン縮環インドール誘導体のライブラリ構築を目指す。 またアリールスルホキシドのプメラー型芳香環スルファニル化の有用性も明確にする予定である。
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Research Products
(4 results)