2016 Fiscal Year Annual Research Report
T2Kニュートリノ実験でのニュートリノCP研究と新型測定器開発
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15F15721
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中家 剛 京都大学, 理学研究科, 教授 (50314175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QUILAIN BENJAMIN 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / CP対称性の破れ / T2K実験 / スーパーカミオカンデ / 前置ニュートリノ検出器 / ニュートリノ反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「ニュートリノにおけるCP対称性の研究と、CP研究に向けた新型検出器の開発」の2本立てである。 信号はミューオンニュートリノから電子ニュートリノへの振動で、ニュートリノと反ニュートリノの振動確率を比較することでCP対称性を測定する。これまで、ニュートリノビームで15E20陽子のデータを、反ニュートリノビームで7.5E20陽子のデータを収集に成功した。このデータの一部(7.5E20陽子のニュートリノデータ)を使って、ニュートリノと反ニュートリノ、電子ニュートリノとミューオンニュートリノ、の総合解析によるCPの測定を行った。ニュートリノ振動におけるCPの破れのパラメータδCPを世界最高精度で測定した。その結果は、90%の信頼度で-3.13<δCP (ラジアン)<-0.39 [ニュートリノ質量が順階層の場合]、-2.09<δCP (ラジアン)<-0.74 [逆階層の場合]で、CP対称性が破れている(δCP≠0)ことを示唆している。この結果は、英国ロンドンで開催されたニュートリノ国際会議NEUTRINO2016やシカゴで開催された高エネルギー物理学の国際会議ICHEP2016で発表し、素粒子物理学分野の2016年のハイライトとして取り上げられた。 現在、系統誤差は6%であるが、将来さらに系統誤差を減らすために、(1)ニュートリノと原子核反応の精密測定、(2)系統誤差の少ない測定を可能とする新型測定器の開発を進めた。新型ニュートリノ測定器は水標的を含んだ3次元グリッドシンチレータ飛跡測定器である。第1モジュールを製作し、ニュートリノビームモニターINGRIDの前に設置し、測定を開始した。 以上の成果により、今後もビームデータを増やすことでより高精度のCP測定が可能であり、ニュートリノでCPが本当に破れているのかどうか、近い将来確定することができる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(20 results)