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2015 Fiscal Year Annual Research Report

日本の地方政治における女性の政治的代表性の研究

Research Project

Project/Area Number 15F15741
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

申 キヨン  お茶の水女子大学, ジェンダー研究所, 准教授 (00514291)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) YOON JISO  お茶の水女子大学, ジェンダー研究所, 外国人特別研究員
Project Period (FY) 2015-10-09 – 2017-03-31
Keywords地方議会 / 女性と政治 / 女性の利益代表性 / 非クォータ戦略
Outline of Annual Research Achievements

諸外国の事例を取り上げた先行研究では、女性の政治的代表性を高める方法としてもっとも有効的なのがクォータ制度(候補者及び議席割当制度)の導入と言われてきた。しかし、日本では選挙における女性クォータが導入されていないにもかかわらず、地方議会においては、女性議員の比率が高い地方議会が少なくない 。東京都議会(20.0%)がその一つの例である。

本研究は、法的クォータ制度が存在しない中で、女性議員を増やすためにはどのような取り組みが存在するのかを、市民社会、または政党の選挙戦略(これらを「非クォータ戦略」という)に注目して明らかにすることである。そのために、 女性議員がもっとも多い東京都議会を事例として、政党は女性議員を増やすためにどのような戦略を取り上げているのか、そして、その結果として選出された議員は女性の利益をどのように代表しているのかを分析している。

以上で述べた研究内容を実施するために、日本語文献を収集、国内の専門家らと研究交流、さらに2000年代以来の東京都議会の選挙結果、本会議・委員会会議の政策発言に関する調査を行った。研究期間初年度の主な研究活動は次のようなものである。まず、東京都議会のケースを通じて、市民社会、または政党が導入した非クォータ戦略が具体的に女性議員の量的増加にどのように貢献したのか、そして、非クォータ戦略の限界は何かを分析することである。 2番目の研究目的は非クォータ戦略が女性の利益の代表性にどのような影響を与えているのかを分析することである。そのため、2000年代以来東京都議会の会議録(本会議・委員会)を検討し、女性の利益に関する政策トピックは何か、誰が(議員性別・政党)このような政策トピックに言及するのかに関するデータを集めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

文献調査によって 、女性議員を増やすために市民社会、または(小数)政党を中心として様々な戦略が取り上げられた事実を明らかにした。
データの収集については、非クォータ戦略と女性議員の増加との関係を明らかにするため、2000年代以来東京都議会の選挙結果データを集めた。データは女性議員を増やすための政党の戦略が女性議員の増加に影響を与えることを示している。さらに、2000年代以来の東京都議会の本会議・委員会会議の政策発言に関する調査を行った。データは議員の性別と所属政党が地方議会で議論される政策アジェンダに影響を与えることを示している。
また、国内の専門家らとの研究交流、女性議員へのインタビューを通じて非クォータ戦略の重要性、及び、限界を明らかにすることできた。非クォータ戦略の重大な限界は女性の利益を重点的に扱わない男性中心的な議会文化の存在であることを明らかにすることができた。
これらの研究は、分析の結果を学術会議で発表し、論文を出版することであった。そのため、2015年度に、アメリカ政治学会とJSPSザイアンス・ダイアログで発表した。

Strategy for Future Research Activity

今後は、次のようなスケジュールの通りに学会で研究論文を発表する予定である。まず、2016年の6月24-27日には京都(日本)で開催されるAssociation for Asian Studies Asiaで、その後、2016年7月23-28日にはポズナン(ポーランド)で開催されるInternational Political Science Association Meetingで研究論文の発表を行う。発表する論文のテーマは東アジア(日韓)のクォータと非クォータ戦略と女性の利益代表性の比較である。学会参加の際、パネリストからコメントをもらい、指摘を反映して論文を書き直し、国際ジャーナルに投稿することを目指している。

また、次年度には調査の範囲を広げ、初年度の研究から得られた知見をさらに検証する必要があると思われる。そのため、世田谷区議会との比較研究を通じて、東京都議会に限られていない非クォータ戦略の様々な効果を明らかにすることを目的として分析をさらに深めていきたい。

具体的な研究の推進方策は次のようである。まず、2000年以来の世田谷区議会の選挙データを集める。区議会の本会議と委員会会議の中で女性の政治的利益に関する区議会議員の発言を記録し、分析を行う(http://www.city.setagaya.lg.jp/kugikai/index.html)。そして、議員と政党関係者を対象にインタビュー(およそ10人)を行う。最終的に、東京都議会と世田谷区議会の比較研究によって、女性議員を増やすための政党戦略はどのような違いがあるのか、そのような違いが女性の利益の代表にどのような影響を与えているのかを分析することを目指している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Book Review: Women and Politics in Contemporary Japan2016

    • Author(s)
      YOON Jiso
    • Journal Title

      ジェンダー研究

      Volume: 19 Pages: 207-211

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Women and Political Representation: The Global Trend and the Implications for Asian Democracies2016

    • Author(s)
      YOON Jiso
    • Organizer
      Science Dialogue Program of JSPS
    • Place of Presentation
      法政大学女子高等学校、横浜市
    • Year and Date
      2016-01-26
    • Invited
  • [Presentation] Quota and Non-quota Paths to Women’s Political Representation: Evidence from Local Legislatures in Japan and Korea2015

    • Author(s)
      YOON Jiso
    • Organizer
      American Political Science Association
    • Place of Presentation
      San Francisco, USA
    • Year and Date
      2015-09-02 – 2015-09-06
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2016-12-27  

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