2015 Fiscal Year Annual Research Report
全有機固体電池:レドックスポリマー電極と固体電解質の研究
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15F15752
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西出 宏之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90120930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARLSSON CHRISTOFFER 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 高分子化学 / 機能性高分子 / 二次電池 / 機能材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
重金属フリーで環境適合、サステイナブルな次世代蓄電池(二次電池)の電極活物質として期待されるラジカルポリマーと新しいレドックスポリマーや固体電解質を組み合わせ、全有機電池としての実証を目指すための基礎研究である。昨年11月に来日し研究環境を整えた後、具体的には、受け入れ研究室で世界的に先駆け展開しているラジカルポリマーを対象に、その界面での電荷授受および対イオンの拡散過程を当該研究者が所属機関(端・ウプサラ大)で実施してきた解析法も併用して検討し、電極活物質としての要件の抽出を計った。また新しい電荷貯蔵サイトの分子設計と高分子化実験にも挑戦した。以上より、各ポリマーから成る全有機かつ薄型フレキシブルな蓄電池を開発するための基礎知見を明らかにする研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来日後の詳細打ち合わせを通して、まずは実験計画の再構築と予備実験に当たった。 (1)TEMPOラジカルポリマーの界面での電荷移動につき、デバイスを工夫し電気化学計測を実施した。データ解析のためマウスコンピューターを設置した。電荷移動の物理化学的な描像に着手した。 (2)テレフタレートを拡張したポリマーの合成を試行し、電極活性のための要件(エネルギー密度、出力密度、充放電繰り返しなど)を整理した。 また日本化学会春季年会に参加し、関連領域のわが国における最新知見の収集と交流に当たった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の成果をもとに以下を計画している。 (1)テレフタル酸を繰り返し単位にもつポリノルボルネルおよびポリチオフェンを合成し、電気化学的特性を明らかにするとともに負極活物質としての電解質親和性など、高い応答示すための分子構造を整理する。 (2)全有機かつ固体電池向けての電解質として、イオン液体およびポリエチレンオキシド誘導体を検討し、電池を組み立てての作動実験への手順を明らかにする。
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