2016 Fiscal Year Annual Research Report
Manipulation of Functional Magnetic Sensor inside Cell and Local Environment Measurement
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15F15757
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新井 史人 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90221051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU LEI 名古屋大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-10-09 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 超精密計測 / ナノバイオ / 機械力学・制御 / バイオ関連機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで,細胞懸濁液から細胞を効率よく広げ,不要な細胞を連続的に排除し,目的とする細胞のみをサイズ分画を利用して生きたまま分離・回収するオープンチップ細胞分離技術を確立し,新方式セルソーティングを提案してきた.H28年度は,サイズ分画をアシストするために,ターゲット細胞表面のタンパク質と特異的に結合させるアフィニティーカラム型オープンチップ細胞分離法の有効性を評価した.はじめに,微細加工装置設備群を利用して,マイクロポスト(直径18 µm,ポスト間隔7 µm)を施したポリジメチルシロキサン(PDMS)製のオープン型マイクロ流体チップを作成した.次に,マイクロポスト表面をシランカップリングで処理後,ストレプトアビジンを化学修飾し,ターゲット細胞表面のタンパク質と親和性の高いタンパク質(ヒト膵臓がん細胞の場合,レクチンrBC2LCNを使用)を固定化し,有効性を評価する実験を行った.また,分離した細胞の検出および個別回収に必要なシステムを設計し,画像処理による自動検出およびマイクロピペット操作による自動回収システムのプロトタイプを構築した.ヒト膵臓がん細胞株Capan-1細胞を用いた分離実験の結果,非レクチン固定化チップに対してレクチン固定化チップの捕捉率は,約10倍の高い結果が得られ,アフィニティーカラム型オープンチップ細胞分離法の有効性が示された. さらに,回収した細胞を培養して,機能性磁気センサを細胞内に導入し,細胞内の環境計測を行うための方法について検証した.機能性磁気センサは近赤外線加熱によって細胞内に数秒でインジェクション可能であることが見出された.また,機能性磁気センサの表面電荷を制御することで,単一センサの操作性を向上させた.サンサ内部に温度感受性のある蛍光物質を導入することで細胞内の温度計測を可能にするものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞分離に関しては,アフィニティーカラム型オープンチップ細胞分離方法の有効性を実証した.更なる条件検討により,新しい細胞分離法として成果が見込める.また,機能性磁気センサによる細胞内環境計測に関しては,近赤外線加熱によるインジェクションの効率化,さらにセンサ表面電荷の制御によるセンサの操作性向上など,基盤技術は確立しつつあり,おおむね順調に進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,アフィニティーカラム型オープンチップ細胞分離方法の有効性を検証するため,マイクロポスト間隔や流速等の至適条件を実験的に検証する.また,細胞内の環境計測にむけて, 28年度までに構築した基盤技術を利用して,細胞内の温度計測を試みる.
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Research Products
(2 results)