2015 Fiscal Year Annual Research Report
H2TiO3を原料に用いたV2O5-WO3/TiO2脱硝触媒製造法の開発
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15F15758
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
張 戦国 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 創エネルギー研究部門, 上級主任研究員 (00250853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU JIAN 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 創エネルギー研究部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 脱水反応 / 高温焼成 / 重量減少率 / 粘度変化 / 低温活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
反応用スラリーはその固形含有量が25-35wt%になるように所定量の工業H2TiO3(約60wt%水と6wt%硫酸を含有)、分散剤と水の撹拌混合により調製した。脱水反応は所定量のスラリー原料を小型オートクレーブに密閉し、180度、200度または220℃度で2時間加熱処理した後、反応器に所定量のタングステン酸アンモニア塩とバナジウム酸アンモニア塩の水溶液を順次に加え、同一温度でさらに10時間加熱処理することにより行った。得られたスラリーを濾過し固形の触媒前駆体を回収した。さらに、これらの前駆体を450-650度の温度域で3時間焼成することによりV2O5-WO3/TiO2触媒を得た。焼成による触媒の細孔構造の変化はそのBET表面積及び平均細孔径の測定より評価した。触媒の脱硝性能は流通式固定床反応器を用いて温度150-500度;空塔速度15000/h;ガス線速度約4cm/s; NH3/NO=0.9の条件下で行った。また、触媒の成型性を評価するため、その水スラリーの粘度を測定し、原料に用いた工業H2TiO3及びハニカム成型によく使用されるカオリナイトの粘度と比較した。粘度測定には25wt%の固形粒子を含むスラリーを使用した。これらの反応、評価試験により得られた結果は以下である。1)180-220℃の温度で12時間反応を行うことにより、触媒前駆体の焼成過程における重量減少率は3wt%程度まで抑えることが出来た。その結果、該前駆体による、機械的強度の要求を満たせるハニカム触媒の製造が可能となる。2)触媒前駆体の粘度が原料H2TiO3のそれに比べ大きくなり、該前駆体による粘結剤無添加スラリーの調製が出来るようになった。3)高温焼成後のV2O5-WO3/TiO2触媒は50-60m2/gの表面積を有し、工業触媒より高い低温脱硝活性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画したすべての試験を行った。また 期待した結果も得た。
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Strategy for Future Research Activity |
提出済みの研究計画の通りに研究を推進する。同時により廉価な触媒を開発するための鉄系触媒の調製・性能評価試験を行う(計画外)。
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