2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15F15768
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
白須 賢 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, グループディレクター (20425630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAUCET SIMON 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2017-03-31
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Keywords | 植物 / 病害抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
Saucet博士と共同して行う研究は、寄生植物における寄生の分子機構解明である。Saucet博士は以前に寄生植物であるP.ramosaを研究しているが、その経験を生かして、本研究室で寄生植物コシオガマのゲノムシークエンス・アセンブリーを終了した。同じハマウツボ科に属するストライガとコシオガマを材料に逆遺伝学的手法を開発して、寄生時に高発現する遺伝子のKO植物を作成するため、イギリスでSaucet博士が開発に関わってきたGolden Gateシステムと、ゲノム編集新技術であるCRSPRシステムを組み合わせ、Agrobacterium rhizogenesを用いて、コシオガマに導入することによって、KO体を作成することを第一目標として、必要なコンストラクトを構築した。KOを作成する遺伝子としては細胞外に分泌されるセリンプロテアーゼであるサブチラーゼをコードする遺伝子群を中心に解析を進めた。このサブチラーゼ遺伝子群はストライガとコシオガマの両者において、寄生時にその発現が高くなるため、この遺伝子群のそれぞれのプロモーターにタグをつけたコンストラクトを構築した。この研究はユニークなコシオガマ-シロイヌナズナのシステムに、CRISPR等の最新分子生物学的技術CRISPRを組み合わせることによって、新規の領域を広げていくものである。ストライガやP.ramosaは農業的に多大な被害をだしているが、有効な解決法は見いだされていない。寄生植物がいかに寄生するかの分子機構を解明することによって、その弱点をさぐり、それをターゲットとした防除法の開発が可能となるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
寄生植物コシオガマのゲノムシークエンス・アセンブリーを終了したこと、Golden Gateシステムと、ゲノム編集新技術であるCRSPRシステムを組み合わせたシステムを構築できたことは、研究が順調に推移していることをしめしている。これと同時に、コシオガマの変異体プールの構築、自らの根に対しての侵入を防ぐシステム(Autoparasitism Avoidance, APA)を欠如した変異体のスクリーニングシステムの構築の基盤が確立できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
コシオガマにおけるGolden Gateシステムと、ゲノム編集新技術であるCRSPRシステムを組み合わせ、Agrobacterium rhizogenesを用いて、コシオガマに導入することによって、KO体を作成し、その変異体の解析を行う。同時に、サブチラーゼ遺伝子群の時空間的発現パターンを詳細に解析する。またこのプロテアーゼの基質(ペプチドあるいは蛋白質)を同定するために活性部位を変異させ、基質には結合できるものの、分解が出来ないような変異体を作成する。このような変異体にタグをつけてコシオガマで発現させ、タグ等を用いて精製した後、結合するペプチドを当研究室が保有する高感度質量分析器を用いて、同定する。基質が宿主植物由来の蛋白質である可能性も少なくないことから、宿主植物であるシロイヌナズナにも発現させ、基質の同定を試みる。
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Research Products
(2 results)