2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15GS0215
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
入舩 徹男 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (80193704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 大鵬 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (70304665)
井上 徹 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教授 (00291500)
山崎 大輔 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助手 (90346693)
阪本 志津枝 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 研究機関研究員
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Keywords | 超高圧発生 / X線その場観察 / 弾性波速度 / 下部マントル / 焼結ダイヤモンド / 高圧相転移 / 高圧相焼結体 |
Research Abstract |
本研究の中心的課題である(1)焼結ダイヤモンドアンビルを用いた超高圧発生と(2)高温高圧下での超音波測定の両者において、技術的に大きな前進がみられた。前者(1)においては、45GPa、2500Kという従来にない高温高圧条件下での放射光X線回折技術が確立された。また、50GPa、1200K領域での実験も可能になるとともに、常温ではあるが60GPa領域の発生も達成された。このように本年度の研究の前進により、本研究の目標であるマルチアンビル装置による70GPa領域圧力発生の達成も目前になっている。このような技術開発を基礎に、下部マントル中での新しい高圧相の発見など、新たな知見が得られつつある。 一方(2)においては、SPring-8の放射光と本研究の超音波測定を組み合わせることにより、18GPa、1700Kという高温高圧下での弾性波速度とX線回折同時測定が可能になった。また、同時にCCDカメラを用いた試料長さの直接測定をおこない、これらのデータを用いて従来困難であった、マントル遷移層に対応する圧力温度領域内での弾性波速度精密決定が可能になった。この結果、マントル中において最も重要な高圧相であるリングウッダイトについて、広範な温度圧力の関数として弾性波速度測定がおこわれ、地震学的に得られている速度構造と直接対比可能な実験データが得られつつある。 本研究では、これらの研究により得られつつある相転移、密度、弾性波速度の実験データと地震波トモグラフィーなどによるマントル微細構造モデルを対比させることにより、新しい地球深部の物質科学的モデルを構築する予定である。そのための全マントル地震学的モデルとして、新しい3次元的高分解能地震波トモグラフィー「EHIME-2004」が構築された。
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Research Products
(29 results)