2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15GS0301
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
稲垣 暢也 秋田大学, 医学部, 教授 (30241954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂 信広 秋田大学, 医学部, 助手 (90333921)
山田 勝也 秋田大学, 医学部, 助手 (40241666)
植田 和光 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10151789)
加藤 博章 京都大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90204487)
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Keywords | 遺伝子 / 蛋白質 / 脂質 / ABC蛋白質 / 膜輸送 / イオンチャネル |
Research Abstract |
哺乳動物のABC蛋白質は未だに蛋白構造が不明であるだけでなく、その多くは未だに輸送する基質や機能、病態との関連が不明である。本研究では、特にABC蛋白質のレギュレーター機能(SUR)と脂質膜輸送機能(ABCAサブファミリー)に焦点を絞り、構造、機能、病態における意義を解析することにより、新たな膜輸送機構の分子基盤を明らかにすることを目的とする。平成16年度には、 1)Kir6.1はSUR2Bと共に血管平滑筋型ATP感受性K^+チャネルを形成すると考えられているが、両者の組織発現など未だに不明な点が多い。そこで、Kir6.1遺伝子のプロモーターを用いたトランスジェニックマウスを作製し、Kir6.1の組織発現を正確に検出することが可能になった。 2)Kir6.2/SUR1遺伝子異常による新生児糖尿病の症例を日本人で初めて報告した。 3)ABCA3遺伝子異常により、先天性肺サーファクタント欠損が起こることが明らかになったが、これらの患者に認められる遺伝子異常の一部では、ABCA3蛋白の細胞内のソーティングに異常を来すことを明らかにした。 4)ABCA3を過剰に発現させた哺乳動物細胞(HEK293)で、ラメラ体様のベジクルが細胞内に出現することを明らかにし、ATP加水分解反応の調節機構を明らかにした。 5)新規に単離した精子特異的ABCA17が、哺乳動物細胞において細胞内コレステロールエステル等の脂質代謝に関与することを明らかにした。 6)精製ABC蛋白質を用いたATPase活性の高感度マイクロアッセイ系を確立した。 7)α1-syntrophinがABCA1と相互作用しその翻訳後活性を制御することを明らかにした。 8)ABCGファミリータンパク質の機能解析系を確立した。 9)バキュウロウィルス・昆虫細胞系を用いたヒトMDR1の大量発現の安定化に成功した。 10)従来よりも安定性の高いヒトMDR1の精製標品を調製できるようになった。 11)結晶化能の向上を目指した変異体MDR1の作製を試みた。
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Research Products
(17 results)