2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15GS0301
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 暢也 京都大学, 医学研究科, 教授 (30241954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 和光 京都大学, 農学研究科, 教授 (10151789)
加藤 博章 京都大学, 薬学研究科, 教授 (90204487)
山田 勝也 弘前大学, 医学部, 助教授 (40241666)
坂 信広 秋田大学, 医学部, 助手 (90333921)
長嶋 一昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (40324628)
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Keywords | 遺伝子 / 蛋白質 / 脂質 / ABC蛋白質 / 膜輸送 / イオンチャネル |
Research Abstract |
哺乳動物のABC蛋白質は未だに蛋白構造が不明であるだけでなく、その多くは未だに輸送する基質や機能、病態との関連が不明である。本研究では、特にABC蛋白質のレギュレーター機能(SUR)と脂質膜輸送機能(ABCAサブファミリー)に焦点を絞り、構造、機能、病態における意義を解析することにより、新たな膜輸送機構の分子基盤を明らかにすることを目的とする。平成17年度には、 1)ABCA3遺伝子欠損マウスの樹立に成功した。ホモ欠損マウスは生後間もなく呼吸不全により死亡することから、ヒトABCA3遺伝子異常によるサーファクタント欠損症を再現できた。 2)ヒトにおいて肺サーファクタント欠損を引き起こすABCA3遺伝子変異は、ABCA3蛋白質が細胞内のソーティング異常によりERに留まるタイプIと、細胞内ソーティングは障害されていないがATP加水分解活性が障害されるタイプIIの2種類に分類できることを明らかにした。 3)ABCA3を過剰に発現させた哺乳動物細胞で、ラメラ体様のベジクルを含む分画にコリンリン脂質が濃縮されることを明らかにした。 4)バキュウロウィルス・昆虫細胞系を用いたヒトABCA1大量発現を確立し、ABCA1を高い純度で精製することに成功した。 5)リボソーム再構成による検討の結果、ABCA1はホスファチジルコリンを多く含んだリボソームに再構成すると最も強くATP加水分解活性が誘導されることが明らかになった。 6)ABCA1と最もアミノ酸配列相同性が高いABCA7はABCA1と同様のリン脂質排出活性を持つにもかかわらず、弱いコレステロール排出活性しかもたないことを明らかにした。 7)ヒトMDR1の構造安定性の向上により、微針状からキューブ状の微結晶が得られた。 8)Sur1-Kir6.2膜蛋白質複合体を精製し、ネガティブ染色法により電子顕微鏡観測した結果、ヘテロ8量体を示唆する画像を確認できた。
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Research Products
(24 results)