2015 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス表面の高い透明化を目指したファイヤーポリッシュ加工法の開発
Project/Area Number |
15H00300
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 雄二 東北大学, 多元物質科学研究所, 技術専門職員
|
Project Period (FY) |
2015
|
Keywords | ファイヤーポリッシュ / ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 曇りガラス状のガラス表面を透明にする「ファイヤーポリッシュ加工」は炎による加工であるため、加工物の表面形状を問わず加工できる利点もあるが、過度に炎を当てすぎると加工物の形状が変形してしまう課題がある。 本研究ではバーナーを新規に開発・製作し、ファイヤーポリッシュ加工の精度向上、高効率化を目指した。 方法 平面加工用に火口径14.5mmのバーナー、細部加工用に火口径1mmのバーナーを製作した。平面加工用バーナーは、均一な炎が得られるよう細孔を密に設置する。細部加工用バーナーは火口が小さいため複数本並べて使用することで火力を上げ作業時間短縮を図った。製作したバーナーでファイヤーポリッシュ加工を行い、バーナー・加工サンプルを評価した。加工時には作業時間を計測し、炎の強さについては加工炎の写真により調整した。 加工材料にパイレックスガラスを用いたファイヤーポリッシュでは、炎による直接のファイヤーポリッシュだけでなく間接的な方法も試みた。ファイヤーポリッシュするガラス材料と炎の間に耐熱材料を置き、それらを炎で加熱することで間接的にガラス材料の透明化を図る。耐熱材料には石英ガラスやカーボンを用いた。細部加工としてはフランジ面と管のL字接合部をファイヤーポリッシュ加工した。 成果 耐熱材料を加熱する間接的なファイヤーポリッシュ法では、カーボンを用いた時と比べ石英板を用いた時に変形が少なく、作業時間も短かった。また、透明板を使うことで加工物を観察できるため、ファイヤーポリッシュ作業に適していると言える。フランジ面と管のL字接合部のファイヤーポリッシュ加工において、バーナー火口径の大小による加工精度向上は見られなかった。バーナー火口数の増加による作業時間短縮は確認できたが、より効果的なファイヤーポリッシュ加工にはガス流量を計測し加工炎を解析する等の研究が必要であると考えられる。
|