2015 Fiscal Year Annual Research Report
無菌調製技術の均てん化を目的とした地域医療連携プログラムの開発
Project/Area Number |
15H00536
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
月野木 祥子 九州大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 無菌調製 / 均てん化 / 地域医療連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】近年、在宅医療の推進に伴い、内服薬の管理だけでなく、栄養管理や疼痛管理のための注射薬の無菌調製・供給など、保険薬剤師の在宅医療への新しい展開が期待されている。しかし、多くの保険薬剤師は、無菌調製の実務経験が浅く、環境設備も整っていないのが現状である。そこで本研究では、地域や経験によらずに一定水準の教育が可能となるように、無菌調製技術の均てん化を目指した無菌調製指導マニュアル、指導用キットの作成など無菌調製技術を指導するための地域医療連携プログラムの開発を目的とした。 【方法】福岡市薬剤師会ならびに福岡地区勤務薬剤師会と連携して、これら薬剤師会の会員薬剤師を対象に、無菌調製研修会(講義ならびに実技)を2回開催するとともに、研修会の内容に関するアンケート調査を実施した。次に、研修会で使用した講義スライドを集約し、無菌調製に必要な備品、準備項目(手洗い、調製用ガウン・手袋の装着方法、クリーンベンチ・安全キャビネットの清掃手順など)、高カロリー輸液・抗がん剤調製手順をまとめ、さらに患者へ提供するまでの注意点なども掲載したマニュアル(無菌調製マニュアル)を作成した。さらに、無菌調製研修会用の模擬例題を作成し、模擬例題に応じた指導および実技に用いる薬品・器材のセットキット(指導準備用キット)を作成した。セットキットには、シリンジ操作での薬液の飛散状況や手技の正確性が確認可能な蛍光指示薬入りバイアルを作成し、飛散状況確認のためのUVランプも用意した。 【成果】本研究では、無菌調製の一定水準の知識や技術の指導が効率的に実施できるように、無菌調製マニュアルや指導準備用キットなど地域医療連携プログラムを開発した。本プログラムは、その活用により、保険薬局における無菌調製の普及に寄与することが考えられた。
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