2015 Fiscal Year Annual Research Report
大規模グラフで表現された不規則・複雑な対象を高速にシミュレーションする方法の研究
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15H01687
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萩原 兼一 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (00133140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊野 文彦 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (90346172)
置田 真生 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (50563988)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超高速情報処理 / アルゴリズム / 生体機能シミュレータ / 階層グラフ分割 / 自動並列化 / 自動プログラム生成 / CUDA / OpenMP |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,シミュレーション対象を記述するグラフGが与えられ,それをシミュレーションする並列プログラムを生成する時間を高速化することを研究した.その結果,並列プログラムの生成時間を数時間から数十分程度に高速化することに成功し,大規模なシミュレーション対象に対して,シミュレーション全体の時間短縮に貢献することができた.以降,具体的に説明する. 例えば,シミュレーション対象が生体機能のように複雑なものの場合は,一般に,分子構造<単一細胞<多細胞<器官 のような階層的に記述される.したがって,G は階層的になっており,分子構造レベルでGを解釈すれば,非常に頂点数や辺数の多いグラフGlとなる.一方,多細胞レベルでGを解釈すれば,頂点数や辺数が比較的少ないグラフGsとなる. 並列プログラムを作成する場合に,最終的にはGlレベルのグラフを扱う必要がある.並列プログラムの生成過程を高速化する方法として,生成過程を並列処理する.そのためには,Glをいくつかに分割し,分割されたグラフを並列に処理する.ただし,Glのレベルでグラフを分割すると,その分割自体に多くの時間を必要とする.それを解決するために,頂点数・辺数が比較的少ないGsのレベルでグラフを分割し,分割されたグラフを分子構造のレベルまで展開する方法を用いた. その場合,分割されたグラフ間の接続が,分子構造レベルでの接続とどのように対応させるかという問題を解決する必要がある.コード生成時間について,並列化率は0.30 から0.89 へ上昇した.すなわち,コード生成時間は並列化により逐次実行時の約11%まで短縮可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度交付申請書の研究実施計画に記載した内容に関して,研究実績の概要に記載通り実施できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では,研究計画調書の研究計画・方法に記載した通りに実施可能と考える.
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Remarks |
上記(1)は関連する研究のURLである.
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Research Products
(14 results)