2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H01695
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 倫一郎 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (20136550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健司 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (50202263)
長原 一 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (80362648)
岡安 崇史 九州大学, 農学研究院, 准教授 (70346831)
有田 大作 公益財団法人九州先端科学技術研究所, その他部局等, 研究室長 (70304756)
島田 敬士 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (80452811)
内山 英昭 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (90735804)
吉永 崇 公益財団法人九州先端科学技術研究所, その他部局等, 研究員 (10598098)
光藤 雄一 公益財団法人九州先端科学技術研究所, その他部局等, 研究員 (70404803)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 知覚情報処理 / 農業応用 / スマートセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の主な研究実績は以下の通りである. ・トマトハウスにおいて,農作業者が装着したスマートウォッチで計測した動き情報からから「いつ,誰が,収穫作業を行なった」という農作業内容を自動取得する研究を行った.また,電波を発信するビーコンをトマトハウス内に複数設置し,農作業者が持っているスマートフォンで受信される電波強度から「いつ,誰が,どこで作業を行なった」という農作業位置を自動取得する研究を行った.これらを組み合わせることにより、「いつ,誰が,どこで,収穫作業を行なった」という農作業情報を自動取得できるようになった. ・圃場環境条件と植物の生育特性を評価するために,温湿度,照度等のセンサ,RGBカメラおよびワンボードマイコンを組み合わせた計測装置の製作を行った.本装置を用いてハウス内の環境情報とコマツナの草高を計測した結果,積算気温と草高には明瞭な正の相関関係が存在し,本結果からコマツナの生長を予測できる可能性があることを示した.遠隔操作方式の移動台車に上記計測装置を搭載することにより,ハウス内の環境と植物生育状態の空間計測を行った。 ・農業ICTでは情報として使われることがほとんど無い,植物からの揮発性有機物(biogenic VOC; BVOC)を測定するための蛍光性分子鋳型MIPマイクロビーズを合成した.テンプレート分子により形成した鋳型に適合する分子認識能力の確認と光学的な測定を行った.対象分子はトマト果実から成熟度により揮発量が変化するヘキサナールとメチルヘプテノンとし,対象分子によって蛍光特性が変化する蛍光色素を選び,ビーズ中に配置した.結果,対象物質への蛍光変化を得たが,分子選択性については十分でなく,鋳型の作成条件について検討が必要であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下のような進捗状況により,おおむね順調に進展していると判断した. ・「いつ,誰が,どこで,どの作業を行なった」という農作業情報について,収穫作業に絞って自動取得を実現した.これにより、農作業者に負担をかけることなく安定して農作業情報を自動取得するには,どのような情報をどのような機器を利用して計測すれば良いかという根本的な課題に対して解決の方向性を見出すことができた. ・既存のセンサと廉価なRGBカメラを組み合わせた計測システムにより実用レベルでハウス内の計測が行えることを示した.一方,本年度自律移動式のモニタリング装置の試作も行う予定であったが,本研究で開発・搭載予定であったセンサの仕様決定に一部遅れが生じたため,自律移動式モニタリング装置の設計のみを行い,試作に関しては次年度に行うこととした. ・植物の生理的な状態を匂いで検知するための基礎実験として,植物BVOCを検知・可視化する方法の検討,および材料の選択やセンサ方式の検討と材料開発が進んでおり,予定通りの進捗となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の通りである. ・農作業者動き情報から農作業内容の自動取得について,収穫動作以外の作業内容の自動取得,複数の農作業社への適用など,より高機能化,高精度化を進める. ・圃場環境の計測を行う移動式計測システムについては,その完成度を高めると共に,本研究でまだ使っていないようなセンサーも搭載できるような拡張性についても検討する.また,自律移動,自律観測を実現するための計測システムの位置同定について画像情報を用いた手法について検討する. ・画像を用いたフェノタイプ・生育状況解析のために,植物を撮影した画像を解析する手法について検討を進める. ・農業ICTとしての匂い測定の応用範囲を広げ,新しい植物用匂いセンサ開発につながるような,揮発性有機物(BVOC)の検知技術を確立する.
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Research Products
(9 results)