2016 Fiscal Year Annual Research Report
エージェントベースモデリングの実世界応用-シミュレーションから実世界OSまで
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15H01719
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
出口 弘 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (60192655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 学 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (60553873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リアルワールドOS / IoT / エージェントベースモデリング / Fog Computing / 自律分散協調 / サービスシステム / マイクロサービス / IoE |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の成果としてはリアルワールドOSの中核言語であるOWLIEのβ版をリリースし、その成果は8月25日~26日のJSTフェアで公開された。またプロジェクトプログラミングの応用のが共同研究を行っている竹中工務店で行われ、リアルワールドOSを用いた建築現場の管理システムのスマホでの応用モデルが作成されテストされ期待の成果を得た。 IoTを用いたビジネスプロセス支援の枠組みとして、従来からのPDCAサイクルを拡張したDSEMDCATS(デザイン・スケジューリング・実行・モニタリング・データ収集・コントロール・アナリシス・トレーサビリティ・セキュリティ)をサイクルとするマイクロプロジェクトに対するIoT基盤でのマネージメント概念を提唱した。これについては諏訪圏工業メッセに出店すると同時に、10月14日には「現場からのカイゼンとしての工場のIoT化」という講演を行った。 諏訪地域でDSEMDCATS枠組みを実際の工場の現場での応用するために、IoTカイゼン会を4回開催し、テーマごとに実習を行なった。このIoTカイゼン会については日刊工業新聞が取材し記事になり大きな社会的反響を得た。 2017年2月23日には愛知県IoT推進ラボ記念講演会で基調講演「「マイクロプロジェクト型サービスとしての現場からの工場IoTの構築」を行なった。3月3日~5日には計測自動制御学会第12回 社会システム部会研究会で関連する複数の発表を行なった。3月28日~29日には東工大で第10回サービスシステムシンポジウム(国際会議)を共催しIoT時代のサービスシステムの在り方について議論を深め、また英語での講演を行なった。更にエージェントシミュレーションの応用に関しては、計測自動制御学会に査読論文を2本発表した。 さらにIoTを利活用した工場でのマネージメントに関する特許1つを申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究には、理論面からの研究、システム実装面からの研究、我々の開拓した理論とシステムの実世界応用と実証面からの研究の三つの側面がある。理論面からは、IoTを用いた生産や諸サービスなどのマイクロプロジェクトを基本単位とするIoTによるマネージメント枠組みをDSEMDCATSという形で明確化した。IoTはセンサーのデータ収集やデータ収集による機器保全など生産現場でも部分的な活用ビジョンしか示されていない。これに対してマイクロプロジェクトを単位とした生産管理やサービス管理のマネージメントの視点からIoT利活用の全体像を与え、原価管理、スケジュール管理、モニタリング、データ収集と分析、さらにトレーサビリティに至るIoT利活用の管理システムの全体像を示すことができた。これはIoTが如何に利活用されるかに関するフレームワークを与えるものであり大きな成果である。さらにこの枠組みに従ってIoTカイゼン会を開催し、技術の普及を行なった。また実際に静岡のお茶企業の製造工程で、我々の開発した見える化の仕組みのテスト導入を行い成功した。 システムの実装面からは、プロジェクトプログラミング言語OWLIEのβ版をリリースし、その事例はJSTフェアで公開すると同時に、竹中工務店で評価され十分な機能を持つことが示された。 このように本研究開発では、理論面、実装面、実世界応用面の三つの側面からスパイラスに相互にフィードバックをしながら研究開発を進めている。本年度は、DSEMDCATS枠組みを中心として、システム開発とその普及評価がスパイラルに展開し、多くの発表と実践活動を行うことができた。その学術的な進捗やシステム開発のみならずそのアーキテクチャも外資系のみならず国内企業からも注目を集めつつあり、計画以上の進捗を得ていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は理論面、システム実装面、実世界応用と実証面からの研究の三つの側面の研究をまとめたホワイトペーパをまとめることで、我々の研究の多方面への展開を図りたい。 その上で、理論面については、IoTを用いた疎結合システムの設計原理を掘り下げ、IoTを用いた疎結合のシステム設計の理論を発展させる。システム実装面からは、上記の理論面の発展と呼応する形で、リアルワールドOSの主要コンポーネントである、ダッシュボード及び、タスクプログラミングとプロジェクトプログラミングの統合環境のα版をリリースする予定である。 昨年度までで、IoTの利活用の基盤となるマイクロプロジェクトのIoTプログラミングのためのプロジェクトプログラミングを中核としたOWLIEのβ版をリリースし様々にテストした。その結果次の課題として、マイクロプロジェクトを構成する各タスク自体のクロス開発環境が必要であることが明らかとなった。そこで本年度は、このネットワーク上での様々なノードのタスクを記述するタスクプログラミング言語の設計開発を行う。このタスクプログラミングと、それらのタスクからなるマイクロプロジェクトを実行するプロジェクトプログラミングの両方でリアルワールドOSのIoTのノード及びプロジェクト開発か言語であるOWLIEは一応の完成となる。 実世界応用と実証面からは、既に開始している中小企業の工場での事例をさらに展開し、他のプロジェクトと連動する形で、IoTとマイクロプロジェクト概念に基づく疎結合設計の妥当性と優位性を具体的に示したい。 また本年度はシステムの一部をGITHUB上でのオープンソース公開を始める予定である。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] Soft Systems Design in IoT Era2017
Author(s)
Hiroshi Deguchi
Organizer
The 10th International Symposium on Service Systems Science
Place of Presentation
Tokyo Institute of Technology
Year and Date
2017-03-29 – 2017-03-29
Int'l Joint Research / Invited
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