2017 Fiscal Year Annual Research Report
Agent Based Modeling & Its Real World Application - from Simulation to Real World Operating System
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15H01719
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
出口 弘 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (60192655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 学 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (60553873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リアルワールドOS / エージェントベースモデリング / IoT / 自律分散協調 / マイクロプロジェクト / マイクロマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はエージェントベースモデリングという社会を構成する諸自律的エージェントをボトムアップに捉えその相互作用をモデル化する手法を、単なるモデル化やシミュレーションを越え実社会のシステムデザインと実装に用いるための総合研究を行うことを目的とする。研究プログラムは二つに大別される。第一は、組織・社会・経済システムのエージェントベースでのモデル化とそのシミュレーション技術の革新であり、第二はIoT (Internet of Thing)時代に自律的エージ、エントの相互作用を支援する実システムのデザイン原理と手法を確立することである。 本研究では現実世界の中でのセンサーやアクチュエータ等のもの・ソフトウェア・人からなる自律的エージェントがネット上で互いに結びつき実現されるワークフローの設計開発・実行管理・資源配分等を可能とする新たなアーキテクチャの理論と実装の枠組み開拓が最終目的となる。 これに対して本研究では、工場との連携に基づき、現実社会のもの(機械)・ソフトウェア・ひとをエージェントとしたマイクロプロジェクト型のサービスを事例として進めることができた。結果として、もの・ソフトウェア・人からなる自律的エージェントがネット上で互いに結びつき実現されるワークフローの設計開発・実行管理・資源配分等のためのマネジメント枠組みDSEMDCATS(Design, Scheduling, Execution, Monitoring, Data Acquisition, Control, Analysis, Traceability, Security)を提起した。この枠組みにしたがって、マイクロプロジェクトのマネジメントを計画と実際の差異の分析として分析するためのIoTを利活用したソフトウェアアーキテクチャとしてのリアルワールドOSのフレームワークも明確になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画は、専門人材の問題があり、リアルワールドOSのコンテナ開発の一部が繰り越された。しかし他方でIoTを用いた実世界のマネジメントとそこでのエージェントベースシミュレーションの応用に関しての全体像が明らかになりつつあり、今後どのように研究を展開することが可能であるかが見えてきた。 とりわけマイクロプロジェクトに対するマネジメント枠組みであるDSEMDCATS(Design, Scheduling, Execution, Monitoring, Data Acquisition, Control, Analysis, Traceability, Security)を提起したことの意義は大きい。これは既存の工場制御でしばしば援用される、MES(Manufacturing Execution System)の概念をより一般のマイクロマネジメントに拡張したものとなっており、今後のIoTの利活用のマネジメントの基盤となる。またそこでは価値計測の方法として実物簿記が重要であることも明らかとなった。 さらにこれらの概念を実応用するための現場連携が、ものづくりに於けるIoT利活用のための工場連携でと、省庁間連携としての災害対応のSIPプロジェクトの二つの領域で進んだ。これによりこ、理論と実践の対応に基づく、POC(Proof of Concept:概念実証)に向けての研究も進みつつある。 以上から研究は、概ね順調に進展したと言い得る。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの研究成果を受けて、次のステップでは、リアルワールドOSの枠組みに基づいた工場での実証実験を経て、IoTに関するエージェントベースモデリングの実世界応用のための、より一般的な実世界の課題に対する「モデル運用とシス テム実践」のためのフレームワークの構築を課題としたい。 そのために実際の工作機械から、我々の提案するフレームワークに基づいて、データ取得ができる環境を工場とのコラボで構築する。構築したシステムに基づいたDSEMDCATS(Design, Scheduling, Execution, Monitoring, Data Acquisition, Control, Analysis, Traceability, Security)に基づいたマイクロプロジェクト(ロット)のマネジメントを具体化するための研究を推進する。 それゆえ今後の研究の推進のためには、多くの現場とのコラボレーションが必要となる。またそのコラボレーションを通じて開拓した新しいマネジメントの方法と技術を普及することも課題となる。そこで本年度から開始したリアルワールドOSコンソーシアム活動をさらに活発化して、中小企業との連携を推進していきたい。
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Research Products
(6 results)