2016 Fiscal Year Annual Research Report
次世代質量分析技術開発による海洋表層溶存有機ガスのグローバル観測と動態解析
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15H01732
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
谷本 浩志 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 室長 (30342736)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海洋科学 / 海洋探査 / 環境技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
専用実験室・設備がない貨物船や、将来的にさらにスペースや電源状況が限られた無人探査機に搭載することを想定してカスタマイズ設計・製作した、高感度・小型・省電力タイプのプロトン移動反応イオン化・飛行時間型質量分析計(Mini-EI-PTRMS)の実験室における動作確認および性能試験を行った。基本的なイオン化である水蒸気のホロカソード放電ならびに、一酸化窒素および酸素分子を試薬ガスとした化学イオン化が正常に作動することを確認した。また、ドリフトチューブ方式の反応チャンバーの電場強度も30-300 Tdで可変であり、分子イオンの開裂及びクラスターの生成の制御が可能となった。検出系には直交加速リフレクトロン飛行時間型質量分析計によるイオン計数検出を採用しているが、質量数測定範囲が1-10,000 amuの範囲、質量分解能がm/z=60以上において1,500以上であることを確かめた。トータルの性能として、分子量180 amu程度の揮発性有機化合物に対して、検出感度が100 cps/ppbvで、1分積算による検出限界が10 pptv程度であることが確認できた。こうした一連のテストにより、海水および大気中における硫化ジメチルをはじめとする揮発性有機化合物のオンライン測定に向けて活用できる目処がたった。また、Mini-EI-PTRMSと組み合わせて使用する、気体・液体間の平衡器システムについて、小型化の改良の検討を行った。平衡器内面の液体や気体と接する箇所の材質の検討を行い、ガラスでなくても有機物の測定にコンタミネーションなく使用可能な結果を一部得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標をおおむね達成しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
実際のフィールド観測の現場での性能試験を行い、さらなる性能および実用性の評価を行う。
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Research Products
(3 results)