2017 Fiscal Year Annual Research Report
Nuclear receptor-mediated bisphenol endocrine disrupting signal toxicity
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15H01741
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
下東 康幸 九州大学, 理学研究院, 名誉教授 (00211293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 裕之 福岡大学, 理学部, 教授 (80274562)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有害化学物質 / 内分泌かく乱物質 / ビスフェノールA / 核内受容体 / シグナル毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビスフェノールA(BPA)は、その低用量効果が懸念される内分泌かく乱物質であり、我々は特異的なターゲット受容体としてエストロゲン関連受容体γ型(ERRγ)を先駆けて発見した。本研究ではまず、BPA食餌でマウス活動量が低下することを明らかにしたが、平成29年度には詳しい解析により、これらのマウスは成長とともに活動量が増加する一部のものであり、大多数はBPA暴露の有無にかかわらず終生一定した活動量を示すこと、そして、平均活動量はBPA暴露によって有意に増加し、多動性症状になることが判明した。この多動性症状は、体内時計のシグナル伝達機構が影響を受けたためと考えられ、概日リズム振動体・視交叉上核で機能する一連の神経ペプチドとその受容体について調べた。その結果、メスでは活動量を抑制するアルギニンバソプレシンのmRNA発現量が有意に減少しており、これはオスでは見られなかった。反対に、オスでは活動量を促進するニューロメディンUが有意に増加していたが、メスでは変化していなかった。こうしてBPA暴露によって、雌雄で異なる脳内神経ペプチド遺伝子mRNAの発現量が変化し、それを起因として行動異常を引き起こしている可能性が強く示唆された。 一方、BPA暴露マウス脳内の自閉症関連遺伝子への影響についても調べた。遺伝子発現量の測定より、ほとんどがBPA暴露によって胎仔期の発現日齢リズムが1日早くなっていることが判明した。特に、神経分化遺伝子の抑制に働くタンパク質の発現量が低下しており、その働きが適正に行えない可能性が示された。さらに、神経分化の時期を早める遺伝子発現の変化が見られた。神経発達の早熟については未解明なことが多いが、脳形成異常など、脳神経系への悪影響が報告されており、BPA暴露がこれらを強く促進する可能性が示された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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