2015 Fiscal Year Annual Research Report
地域資源を基盤とする創造的復興とレジリエンス力強化に関する実践研究
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15H01758
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
逢坂 卓郎 筑波大学, 芸術系, 特命教授 (80213677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十殿 利治 筑波大学, 芸術系, 教授 (60177300)
宮原 克人 筑波大学, 芸術系, 准教授 (80400662)
山本 早里 筑波大学, 芸術系, 准教授 (90300029)
原 忠信 筑波大学, 芸術系, 准教授 (30566360)
大澤 義明 筑波大学, システム情報系, 教授 (50183760)
新井 哲明 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90291145)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地方創生 / ローカルデザイン / デザイン論 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域資源の調査、レジリエンス評価方法、レジリエンス強化方法を検討した。 【ローカルデザイン系】地域文化デザイン班は、塩尻市木曽平沢地区を対象地とし、新たな木曽漆器ブランド構築を通して木曽漆器の価値を再構築し、地域創生のための活用方法を検討するため、本年度は木曽漆器工業協同組合の他、塩尻市などの行政と協力体制を築いた。竈プロジェクトにおける防災・コミュニティビルディングの実践的活動、北米ポートランドにおける自転車文化等の事例調査を実施した。/循環型エネルギー班は、会津三島町自然エネルギー研究会と共同してミニ水力発電機とペルチェ素子熱発電器を開発した。畑地の用水や家屋のストーブ熱など再生エネルギーのみを用いた光の展覧会「森・光・水」を開催した。三島町生活工芸館の協力の下での編み組細工による街路灯、電気自動車により運搬された地域の風力電力も加え、レジリエンス力である地域資産の顕在化を目的とした実践的研究を行った。/交通インフラデザイン班は、国内の近距離電車等を地域との関係に着目して類型化した。自治体や鉄道運営会社への、街づくりに関する意識調査を行うための調査項目を検討した。 【医学系】2015年9月、水害に見舞われた茨城県常総市にこころのケアチームなどを順次組織して、同地域住民のレジリエンスを高める活動を行った。さらに健康診断調査を行い、被災者の5%に抑うつ、21%にPTSDの疑いがあることを見出した。 【評価系】医学班と同様、常総市において災害ボランティアと現地調査を行い、今後の復旧復興に向けたまちづくり提案を行った。2012年5月に竜巻被害を受けたつくば市北条地区において、茨城県南地域の小学生約30名を対象としたまちづくり講座を 2日間実施した。地域の高齢者とともに、地域の観察や昔の遊びの実践を通じて、子ども達が地域環境を理解し、地域から援助を得ることのできる力を醸成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ローカルデザイン系は、各班が実施する地域を選定でき、地域のコーディネータとも連携が取れ、すでに実地調査が進んでいる班もあるなど順調に研究が進んでいる。医学系は常総市を対象に健康調査を実施でき、レジリエンス強化の糸口を見出している。評価系も医学系と同様の対象地においてレジリエンス強化の手法の実験を行い、一定の評価を得られている。以上のように各班の研究調査状況が順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度、29年度も引き続き各班の調査研究を実施する。ローカルデザイン系は、連携が取れている実地調査地での調査を進め、レジリエンス強化のための地域資源を抽出する。医学系は、継続的に健康調査を実施し、レジリエンス強化の手法を見出す。評価系は引き続きレジリエンス強化の評価手法を検討する。さらに全員で中間報告会を行うなどして相互に研究実施状況を報告、連携を深め、レジリエンス強化手法を検討する。
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Remarks |
高橋晶、太刀川弘和:鬼怒川決壊水害の恐怖、ストレス、不安 不眠訴える被災者.茨城新聞2015年9月30日号 太刀川弘和:鬼怒川決壊1か月戻らぬ生活 募る不安.日本経済新聞2015年10月10日号 太刀川弘和:在宅被災者に心のケア、筑波大医師らの支援チームが相談窓口.朝日新聞2015年10月31日号
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Research Products
(11 results)