2017 Fiscal Year Annual Research Report
実世界とシミュレーションの相互作用による双方向社会システムデザイン
Project/Area Number |
15H01785
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 秀樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (00597809)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 知典 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40401145)
小宮山 涼一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60537819)
原 辰次 中央大学, 研究開発機構, 機構教授 (80134972)
橋本 成仁 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (80291318)
吉村 忍 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90201053)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | マルチエージェントシステム / 交通流シミュレーション / OD推定アルゴリズム / 逆問題 / 都市動態 / 電力システム / 不確実性評価 / 居住地選択モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の要点は,「1. 複数の社会モデルの連成(マルチソーシャルシミュレーション)」,「2. バーチャル社会のデザイン(パラメータの推定・同定)」,「3. 実世界からバーチャル世界への情報の入力」,「4. バーチャル世界から実世界への情報の出力」である.平成29年度は1および2を中心に以下の手順で研究を進め,それぞれ成果を得た. 「1. 複数の社会モデルの連成」に関しては,まず,代表者がこれまでに開発してきた自動車・歩行者・路面電車連成交通流シミュレーションで用いられるモデルの精緻化をはかり,同時に大規模問題への適用可能性を示した.連成シミュレーションに用いる新たな歩行者モデルを提案した論文では情報処理学会論文誌特選論文賞を受賞した.並行して,交通流の構成要素として自転車を考慮するモデルを提案した.また構築したシミュレーションモデルを岡山市の路面電車軌道延伸問題に適用した論文が交通工学のトップジャーナルの1つであるTransportation Research Part Cに掲載された. また交通システムと電力システムの連成に関連し,電気自動車の走行モデル切り替え最適化法を提案した研究では,研究発表を行った学生がIEEE Young Researcher Awardを受賞した. 都市動態のシミュレーションモデルに関する論文も人工知能学会誌に掲載されるとともに,さらにその発展として新たな世帯の居住地選択モデルを構築した. 「2. バーチャル社会のデザイン(パラメータの推定・同定)」においては,交通流シミュレーションの入力情報となるOD (Origin-Destination) 交通量の推定手法を改良し,その推定精度を高めるともに,新たに未観測の環境情報を同時に推定する手法,および推定手法の不確実性を低減するための手法に関する研究も実施した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動車交通と歩行者・路面電車交通の結合および岡山市を対象としたシミュレーション,OD推定アルゴリズム,経路探索の高速化,シミュレーション結果のクラスタリングに関する査読付き論文(英文),都市動態モデル,新たな自動車・歩行者連成モデルの提案に関する査読付き論文(和文)が掲載されるとともに,電気自動車の経路探索の学習,交通システムと電力システムとの連成,自動車・自転車連成シミュレーション,世帯分布シミュレーションの論文が現在査読中あるいは投稿準備中である.以上のとおり研究は概ね順調に進捗している.
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる平成30年度には,既に完成しつつあるモデルでは精緻化・大規模化を推進するとともに,他のモデルとの連携を強化することでマルチソーシャルシミュレーションの完成度を高める.現在開発中のモデルはその精度を検証するとともに,期間内に少なくとも単一モデルとしての完成を目指す. 同時に,モデルの高度化以外についても,シミュレーション結果の信頼性を高めるための方策,入力データの信頼性の確保や不確実性評価についても検討を進める.
|
Research Products
(30 results)