2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H01807
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 厚 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (40190566)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高分子電解複合体 / ペプチド / 脂質膜 / フォールディング / ナノ複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体高分子の機能発現には、その高次構造形成が重要な役割を果たす。さらに、高次構造の転移がシグナル伝達、物質輸送、物質合成などの高度な生体機能の基幹となっている。従って、高次構造の形成と構造間の転移を制御する方法論が、生体分子の効果的な活用に不可欠になる。本研究課題では、申請者がカチオン性くし型共重合体と核酸とのナノ会合体形成で独自に見いだした核酸シャペロン活性発現機序を追求するとともに、その知見をペプチドの構造機能制御に活かすべく系統的に研究を展開し、した。本園度は、膜破壊性ペプチドに対する効果を、共重合体の構造・機能相関から考察し、またペプチド構造の活性に及ぼす影響を検討した。そのために、これまで主に用いたポリアリルアミングラフト共重合体に加え、ポリリシングラフト共重合体、ポリオルニチングラフト共重合体およびポリビニルアミングラフト共重合体を作成し、その両親媒性ペプチドとの相互作用を評価した。その結果、ペプチドとの相互作用はポリアリルアミングラフト共重合体でもっとも効果が高く、主鎖高分子の疎水性が重要である事が示唆された。また、ペプチドの配列の機能発現に対する効果より、適度のαヘリックス含量で疎水性度が高いペプチドで高い活性が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、以下の知見が得られた。 1)新規の共重合体を合成し、ペプチドの機能発現に及ぼす共重合体の活性・構造相関について知見が得られた。 2)ペプチド構造の活性二及ぼす影響を検討し、活性を高める上での二次構造、親疎水性度に関する知見を得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の項目を推進する。 1)さらに効果的にペプチドを活性化する材料設計を目的に、新たなグラフト共重合体の合成を行う 特に共重合体とペプチドとの相互作用増強のため、カチオン基として一級アミノ基以外の官能基を導入する。 2)ペプチドとして配列以外に、鎖長あるいはペプチドの化学修飾による機能強化を図る。 3)脂質膜破壊活性を利用した細胞内デリバリー法を検討する。
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Research Products
(9 results)