2018 Fiscal Year Annual Research Report
How does grammar emerge in the human brain?: An insight from the East Asian comparative cognitive neuroscience of language
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15H01881
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
酒井 弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50274030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬塚 れい子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (00392126)
Verdonschot RG 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (30756094)
尾島 司郎 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (40404959)
広瀬 友紀 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50322095)
今井 むつみ 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (60255601)
星野 徳子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (70609841)
小野 創 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (90510561)
折田 奈甫 東京理科大学, 理工学部教養, 講師 (70781459)
大関 洋平 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (10821994)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言語学 / 認知科学 / 脳・神経 / 実験系心理学 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績は次の通りである。(1)日本語数量表現を使用した予測処理の神経メカニズムを探る事象関連電位計測実験のデータを分析し、数量表現と後続する被修飾名詞とのトランジションプロバビリティーに応じてN400成分が変化し、数量詞の頻度に応じてLeft Anterior Negativity成分が変化することがわかった。この結果は、数量表現の頻度に応じて予測処理の質が異なること、すなわち高頻度な数量表現の処理に統語的な処理が関わることを示唆している。この結果をまとめ、国際学会 Neurobiology of Language 2018において発表を実施した。(2)予測処理の神経メカニズムの基盤をさらに追求するため、MEGを使用した脳機能計測実験を実施する準備を進め、パイロット実験を実施した。(3)研究協力者であるエジンバラ大学のJennifer Culbertson博士を招聘し、言語変化と言語習得の関係を実験的に検討する最新の研究成果に関するサマーセミナーを実施した。(4)日本語動詞形態の処理に関する実験結果を論文としてまとめ、国際学術誌に投稿する準備を進めた。(5)日本語VOT知覚に関する実験結果を国際学術誌に投稿したが、査読者から改訂の指示を受けたため、改訂後に再投稿した。(6)日本語漢字処理において音韻情報・表記形態情報が予測処理に使用されるかどうかを探る視線計測実験を実施し、結果をまとめて国際学会Embodied and Situated Language Processingに応募した。(7)日本語モダリティー表現処理の事象関連電位計測実験を実施し、データを分析して国際学会発表を準備中である。(8)視線計測を使用した日本語・スペイン語文産出実験の結果は、国際学術誌Frontiers in Psychologyに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りにすべての研究を実施し、国際学会における発表、サマーセミナーの開催も計画通り実施した。一方、国際学術誌に投稿した論文は1編が掲載されたが、もう1編は改訂再投稿が必要となった。これらを総合的に評価して「おおむね順調である」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、すでに実施した研究の結果を取りまとめ、すべての成果を国際学会において発表し、国際学術誌に論文として掲載することを目指す。一部の研究計画、特にMEGを使用した予測処理の脳機能計測実験は、本研究課題の範囲で終了することが困難であると考えられるので、課題終了後に継続することを想定して可能な限り研究を進めておく。
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Research Products
(10 results)