2015 Fiscal Year Annual Research Report
一貫教育における複言語能力養成のための人材育成・教材開発の研究
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15H01886
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
境 一三 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (80215582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝妻 恵里子 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (00744806)
山下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20383383)
酒井 志延 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (30289780)
吉川 龍生 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (30613369)
治山 純子 慶應義塾大学, 外国語教育研究センター, 助教 (50708451)
平高 史也 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (60156677)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 外国語教育 / 複言語複文化能力 / 教員養成 / 教材開発 / 一貫教育 / グローバル人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英語を含む外国語一貫教育において、生徒・学生の複言語・複文化能力をいかに養成するかを柱とする。そのための教材開発と、開発された教材を用いた総合的授業設計が研究目的の一つである。その際、学校教育の枠を超えた生涯学習の観点から、学習者の自律性涵養に焦点を当てる。また日本ではこれまで、生徒・学生の複言語・複文化能力養成のためには、どのような人材が必要であるか、また人材をどのように育てるかはほとんど研究されてこなかった。この点を探求するために、教員養成のあり方、研修方法にも踏み込んで考究する。 平成27年度は、慶應義塾における第二外国語教育の一貫性に関する調査として、科研費基盤研究Aによる「外国語一貫教育における複言語・複文化能力育成に関する研究」(平成24年~26年、研究代表者:境一三)で行った量的調査を基に、それを補う質的調査を進めるためのパイロット調査をドイツ語、フランス語、スペイン語並びに中国語で行った。 複言語・複文化能力や「気づき」を涵養する教材研究としては、主に奈良教育大学で進んでいる教材開発と、その小学校教育における活用について聞き取り調査を行うとともに、大学レベルの複言語能力を養成するための教材開発を進めた。 教員養成・研修方法・資料開発に関しては、公立高校で第二外国語教育に従事している教員や、第二外国語の教員養成・研修に当たっている担当者を交えた会合を複数回持ち、今後の可能性について検討した。 海外においては、フランス、スイス、ドイツ、マレーシアにおける二言語教育や学生・生徒の複言語能力の実態について調査を行った。また、行政の担当者や大学の研究者からも聞き取りを行った。 成果は、定期的に開催する分担者会議と、一学期に一回開催する全体会議で報告し、情報を共有した。また、早稲田大学における「言語エキスポ」においても、報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、慶應義塾における第二外国語教育の一貫性に関する調査として、科研費基盤研究Aによる「外国語一貫教育における複言語・複文化能力育成に関する研究」(平成24年~26年、研究代表者:境一三)で行った量的調査を基に、それを補う質的調査を進めるためのパイロット調査をドイツ語、フランス語、スペイン語並びに中国語で行った。 複言語・複文化能力や「気づき」を涵養する教材研究としては、主に奈良教育大学で進んでいる教材開発と、その小学校教育における活用について調査を行うとともに、大学レベルの複言語能力を養成するための教材開発を進めた。欧州評議会の “FRAPA" についても、すでに研究成果を持つ連携研究者と議論を行うとともに、文献による調査を進めた。 教員養成・研修の方法・資料開発に関しては、公立高等学校で第二外国語教育に従事している教員や、第二外国語の教員養成・研修に当たっている担当者を交えた会合を複数回持ち、今後の可能性について検討した。 海外においては、フランス、スイス、ドイツ、マレーシアにおける二言語教育や学生・生徒の複言語能力の実態について調査を行った。また、現地の行政の担当者や大学の研究者からも聞き取りを行った。 成果は、定期的に開催する分担者会議と、一学期に一回開催する全体会議で報告し、情報を共有した。また、早稲田大学における「言語エキスポ」においても、報告を行った。 なお、本研究全体において重点となる項目は以下の通りである。ア)慶應義塾内の第二外国語における一貫性の実態調査、イ)複言語・複文化能力を伸長させるための教育が積極的に展開されている地域の教育実践の調査、ウ)言語・文化意識を涵養し、複言語・複文化能力を養成するための教材開発、エ)複言語・複文化能力養成に対応できる教員を養成するための基礎調査と研修プログラム・研修教材の開発
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、慶應義塾における第二外国語教育の一貫性に関して、平成27年度に行ったインタビュー調査(質的パイロット調査)の結果分析を進めるとともに、それを基に多人数を対象としたインタビュー調査(ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語)を実施し、結果の分析と解釈を行う。 日本国内で第二外国語教育が実施されている公立・私立高等学校の実態調査を行い、卒業生が進学先の大学で、外国語教育をどのように受容しているかについての聞き取りも可能な範囲で実施する。 複言語・複文化能力や「気づき」を涵養する教材研究としては、日本国内における先進事例の調査を継続するとともに、大学レベルの複言語・複文化能力を養成するための教材開発を継続する。また、開発された教材を使用した実験授業も実施する。 教員養成・研修方法・資料開発に関しては、これまで検討してきたことを踏まえ、研修を実現するための方策を探り、可能な限りパイロット的な研修を実施する。 海外における二言語教育、Content and Lanuage Integrated Learning (CLIL) や学生・生徒の複言語・複文化能力養成、言語・文化意識を向上させるための授業等の実態調査とそれに関連する教員養成・研修の実態調査も継続する。 成果は、一学期に数回開催する分担者会議と、一学期に一回開催する全体会議で報告し、情報を共有する。また、学会・研究会での発表も積極的に行う。
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Research Products
(17 results)