2019 Fiscal Year Annual Research Report
法的本質論を踏まえた非営利団体の地位と役割及び団体訴訟に関する比較法的総合研究
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15H01913
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
亘理 格 中央大学, 法学部, 教授 (30125695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 裕之 中央大学, 法務研究科, 教授 (10169021)
深澤 龍一郎 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50362546)
高村 学人 立命館大学, 政策科学部, 教授 (80302785)
岸本 太樹 北海道大学, 法学研究科, 教授 (90326455)
北見 宏介 名城大学, 法学部, 准教授 (10455595)
小澤 久仁男 日本大学, 法学部, 准教授 (30584312)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非営利団体 / 環境団体訴訟 / 事前承認 / 純粋公益型団体訴訟 / 共同利益型団体訴訟 / 行政契約 / 都市計画 / 共通財 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず訴訟上の問題について、環境団体訴訟法制化の設計内容をより明確に方向づけるための調査検討を行った。その結果、ドイツ法に倣い事前承認の導入が現実的と考えられる一方、制度の中身については、フランス法を参考に複数タイプの環境団体訴訟の並存を認めるべきであり、純粋公益型と共同利益型という各類型の特性に応じ多様性と柔軟性を具えた制度設計を目指すべきであることが、明らかになった。 次に訴訟外の問題について、非営利団体と行政間の法関係を考察しようとする際、行政行為や行政強制等の典型的な法執行行為を想定するよりも、行政契約や行政計画を媒介とした法秩序形成を想定する方が有意義ではないか、という視点から、フランス・ドイツの行政契約法研究者からのヒアリングを実施した。その結果、フランスでは都市計画における公私協働都市事業計画(PUP)のように、従来の行政契約類型に当てはまらない新種の契約手法が出現していること、ドイツでは一部の住民や住民団体の提案に基づき協定化された都市計画を1/3以上の明示的反対がない限り有効とする制度(BID等)について、合憲性が争われていることが明らかとなった。 他方、中堅の代表的環境法研究者による研究会報告を通して、訴訟であれ訴訟外であれ非営利団体の法的地位を積極的に正当化する論拠が不可欠ではないか、という根本問題が提起された。その結果、集団的利益・共同利益等の利益の性質論、及び参加手続や公私協働との論理的整合性を要求する「首尾一貫性」確保の要請が、積極的正当化根拠たり得るかが問題解決の鍵であるとの見通しが得られた。他方、イタリア・フランス等で論じられる「共通財」概念も、所有における公私の別から切り離された財自体の共通性に着眼した概念であることが明らかになり、共通財への公衆アクセス確保が訴訟と訴訟外にまたがった問題解決の契機たり得るかも、今後の課題として示された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(22 results)