2018 Fiscal Year Annual Research Report
ビッグサイエンスと産業イノベーション:科学化される社会、社会化される科学
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15H01964
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
桑田 耕太郎 首都大学東京, 経営学研究科, 教授 (50186558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松嶋 登 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10347263)
石川 哲也 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, センター長 (80159699)
高田 昌樹 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60197100)
原 拓志 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (60252756)
高尾 義明 首都大学東京, 経営学研究科, 教授 (90330951)
松尾 隆 首都大学東京, 経営学研究科, 准教授 (50305489)
高橋 勅徳 首都大学東京, 経営学研究科, 准教授 (70352482)
西村 孝史 首都大学東京, 経営学研究科, 准教授 (40508462)
水越 康介 首都大学東京, 経営学研究科, 准教授 (60404951)
宮尾 学 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (80611475)
井上 福子 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (40823349)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 経営学 / ビッグサイエンス / 産業イノベーション / 大型放射光施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、所与の科学技術を産業利用する既存のイノベーション研究ではなく、科学技術の変化や産業構造の変化を伴った根源的なイノベーションのプロセスを理解するための分析枠組みと理論を構築し、先端科学技術と産業の国際競争力の向上をダイナミックに結びつける理論と方法を確立することにある。 ビッグサイエンスのリサーチサイトとして、理化学研究所の協力の下、大型放射光施設(SACLAやSPring-8)を取り上げる。本研究では、「科学は社会化され、社会は科学化される」という視角を採用し、世界最先端の大型放射光施設を生み出す産業の実践、その施設を利用する科学技術者の実践、その研究成果を利用する産業の実践のダイナミクスを研究し、科学・技術と産業社会の分業構造が根幹から再編成されるプロセスを分析する。 研究4年目となった本年は、これまでの研究蓄積を踏まえつつ、大きく4つの論点についてそれぞれ研究を進めた。第一に、科学と産業の相互影響の歴史に取り組み、これまでに引き続き研究蓄積の整理分析を行うとともに、各分野でのヒアリング調査を中心として、放射光科学の歴史を確認した。第二に、ビッグサイエンスを支えるビジネス・エコシステムの社会的形成、および、第三にビッグサイエンスを媒介にした社会的実践の変化を捉えるため、大型放射光施設に関わる企業のイノベーションを確認した。さらに第四として、地球レベルでのイノベーション・システムの探求に取り組むべく、研究会や学会報告を行い、研究枠組みの精緻化を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各論点についてそれぞれ研究を進め、次年度の最終年度に向けて順調に研究を進めることができた。最終年度に向けた研究会も開催し、現状の確認ととりまとめに向けた準備も整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となり、これまでの研究成果を取りまとめるとともに、広く社会に向けて成果の報告を行う。それぞれが柔軟に研究を進め、予期していない問題が生じた場合にも有機的な対応を心がける。
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Research Products
(22 results)