2018 Fiscal Year Annual Research Report
実践家参画型エンパワーメント評価を活用した有効なEBP技術支援センターモデル構築
Project/Area Number |
15H01974
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
大嶋 巌 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (20194136)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プログラム開発と評価 / エビデンスに基づく実践(EBP) / 実践家参画型エンパワメント評価 / EBP技術支援センター / 評価ファシリテータ / 参加型評価による学習する組織づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、我々が開発した実践家参画型エンパワーメン卜評価の方法論を活用し実践現場が「学習する組織」として利用者ニーズ解決に有効に機能することを支えるエビデンスに基づく実践技術支援センター(EBP-TAC)モデルを構築し、定式化することにある。 研究は第Ⅰ~第Ⅳフェーズで進めた。研究4年度に当たる平成30年度は、前年度に引き続き第Ⅰ・第Ⅱフェーズを進展させ、第Ⅲフェーズ(全国試行評価調査の実施)を行った。第Ⅰフェーズの課題:実践家参画型評価を活用したEBP-TAC支援モデルの開発・作成について、「実施・普及ガイドラインが目ざす3つの共有」、①「効果モデル」共有、②「効果モデル」をより効果的なものへと発展させる方法の共有、③実施・普及方法の共有を明確にすることの重要性が明らかになった。また「3つの共有」を推進する組織づくりとして、(1)実施段階判定のアセスメント、(2)戦略・実施プラン作成、(3)評価モニタリング会議の実施とチームによる「効果モデル」の振返り、(4)チームによる戦略・実施プランの振返り、(5)評価結果や、戦略・実施プランに基づく評価ファシリテータのコンサルテーションが示唆された。 以上から準備の整ったプログラムに、第Ⅲフェーズの全国試行評価調査を進めている。一部は評価調査を終了し、分析と実践家と協働の振り返り会を開催した。これらの試行評価調査実施に当たり、EBP-TACの支援内容を昨年度から一部改訂して、A)価値と理念の明確化と共有化、B)実施機関(組織)のアセスメント、C)戦略・実施プランの策定とモニタリングの実施支援、D)組織・運営体制、ネットワーク形成等の支援、E)効果モデルの実施・普及支援、効果的実施の支援、F)実践家参画型評価と評価キャパシティ形成の支援からなるEBP-TACガイドラインおよびそのフィデリティ尺度を構築し、実施状況を把握している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第Ⅱフェーズの調査実施が遅れているが、これは第Ⅰフェーズの検討がより精緻化・深化されたため、および日本の状況が変化しているためである。平成31年度には調査票を完成し、順次調査を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、第Ⅳフェーズ:EBP-TAC支援モデルの改訂・定式化(完成版)と、公表・提案フェーズの課題を進める。具体的には、(1)様々な福祉領域の関係者との意見交換の場を持ち、より効果的で実用性の高いEBP-TAC支援モデルに改訂・発展させ、プログラム横断的、評価ステージ横断的モデルとして定式化する、(2)本研究で作成したEBP-TAC支援モデルの実施ガイドラインと実践支援ツール・評価支援ツール等の諸様式をまとめたツールキットを作成し、公開する。
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