2017 Fiscal Year Annual Research Report
Wavefront transfer from light wave to electron wave
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15H01995
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30162431)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レーザー / ボルテックス / 波面 |
Outline of Annual Research Achievements |
光ビームの位相分布が光軸を中心に方位角方向に滑らかに変化している光渦を用いて、物質にその位相情報を転写し、最終的にはこれらを電子ビームに変換する方法の確立を目指して研究を進めた。その実現のためには、位相情報を含むホログラムを作製することが重要であり、本年度は光渦による薄膜加工技術の開発を進めた。光渦を液晶素子を用いて形成し、これと同一光源から得た平面波との干渉パターンを形成するための、光学系の設計と試作を行った。次に、光源としてレーザー加工に十分なエネルギーを有するパルスレーザーを導入し、干渉パターンによるシリコンあるいは窒化シリコン薄膜へのパターン形成を試みた。光学系の微調整の後、パルスエネルギーやパルス数などをパラメータとして最適な照射条件を求めた。この際、光ビームとして伝搬する光渦の強度が光軸上ではゼロとなる特性を持っているため、レーザー加工に用いる際に光軸付近がほとんど加工されないという問題点を克服する必要がある。そのため、ほぼ均一な強度分布を有する円形の光ビームを液晶素子に入射し、そのフーリエ面をレンズ系である面に結像することによって、十分な強度をらせん状の位相波面をもつ、干渉加工用光ビームを形成した。これらの干渉パターンによって加工された薄膜には、光渦の干渉パターンとして典型的なフォーク状の加工痕が確認された。また、従来法ではフォーク状パターンを形成する凹凸の厚みが離散的であるのに対して、本方法で作製された薄膜では、パターンの厚みが滑らかに変化していることが確認され、これを透過する電子波に対して、振幅だけでなく、位相変化を加えることが可能であることを示すことができた。これにより物質を介した光から電子への位相情報の転写を実現するための基盤技術を確立することができた。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)