2016 Fiscal Year Annual Research Report
時系列解析における分位点回帰推測論の構築とその応用
Project/Area Number |
15H02061
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷口 正信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00116625)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 博 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90454024)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 統計科学 / 時系列解析 / 分位点回帰 / 金融工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
定常過程のL_p loss による最適予測子、補間子の構成を行った。この場合、スペクトル構造に epsilon 混合がある場合、L_p loss での min-max 最適予測子、補間子の構成を行った。実際問題では、真のスペクトル構造は未知、あるいは誤特定化されているのが普通であるのでepsilon 混合スペクトルのモデリングは、むしろ自然であろう。また推測に関しては、L_p 型スペクトル密度関数の母数推定として局所 Whittle 尤度を導入し、推測論の展開をした。応用としては、周波数依存の指数型予測子を導入し、従来の指数平滑予測より勝る予測法の提案をした。また、分位点スコアを用いた時系列モデルや回帰モデルの判別、分類手法を提案し、その近接カテゴリーのもとでの誤判別確率の評価を行い、一致性を示した。さらには、気象データに適用し、豪州における地球温暖化傾向に言及した。 金融解析におけるポートフォリオ手法は、金融だけでなく、遺伝子解析等、広汎な応用をもつ。 この流れでも、時系列価格過程に対する最適ポートフォリオ推測を LeCam 流の最適推測論の上に乗せ、推定、検定等の諸手法の提案を行い、諸成果は、もうすぐ Chapman and Hall 社からの英文著書として発刊予定で、本研究成果も含む形で、世界に知らしめる予定である。 近年は、高次元データへの統計諸手法の需要が高まり、本研究でも、高次元時系列データの推測法の提案とその良さへの基礎研究を進めており、高次元時系列の共分散行列やスペクトル行列の推測を Whittle 尤度を用いて行うことを提案し、その漸近理論の構築も行った。この成果の応用は、非常に広汎なものになろう。また、高次元時系列の分散分析モデルへの基礎理論構築、あるいは、判別解析への基礎理論構築も行なっており、成果を得ている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
時系列解析における分位点回帰を主題にそえ研究展開をしてきた。この流れで L_p 予測、補間を、epsilon 混合スペクトルを想定し、 min-max 予測子、補間子を求めた。またL_p スペクトル密度関数に対する局所 Whittle推定も行い、周波数に依存する指数平滑予測子を提案し、従来のものより、よいことを見た。 この流れはもとより、高次元時系列解析、時系列経験尤度解析、ポートフォリオ推測論の基礎理論構築等、膨大な研究推進をしてきた。研究成果は、仏誌:" Statistical Inference for Stochastic Processes" の Special Issue:" High Dimensional Statistical Analysis for Time Spatial Processes & Quantile Analysis for Time Series" として出版予定である。またポートフォリオ推測については、Chapman & Hall 社からの英文著書 " Statistical Portfolio Estimation" ( 約 400 pages ) として、もうすぐに出版される予定である。このように、本研究成果は、グローバルな媒体で発刊して、国際視点で可視化すべく進めている。 早稲田大学内では、近傍の若手研究者の研究成果を、「早稲田大学理工研報告特集号」として2017年3月に出版した。 我が国の若手研究者育成の観点から、多数の先端的研究者を招聘し、研究交流を進めており、20代、30代の若手研究者が、米国のプリンストン大学、ボストン大学、ドイツのボーフム大学の大家達に招聘される機会も得ており、研究計画は順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も研究主題として " High Dimensional Statistical Analysis for Time Spatial Processes & Quantile Analysis for Time Series" を据え、国際先端的な研究者を多数招聘し、国際シンポジュームを3回開催し、国際セミナーを2回開催し、我が国の研究者との研究交流を進め、国際共同研究として展開していく予定である。また、このプロセスの中で、我が国の若手研究者の育成もはかり、国際協業、相互招聘の機会を発展させる。研究成果は、グローバルな視点で可視化の方向ですすめ、成果を国際誌の1巻、特集号の形で出版したり、著名な出版社からの英文著書の形で表し、本研究成果を世界に知らしめる形にする。 本研究の基本は、時系列解析の統計数理理論の構築であるが、理論成果は、金融、保険、医学、生体、遺伝子、年金数理、の研究者と交流し、理論と応用の協業をはかり、現象からの統計数理理論の輪廻的発展を目指す。
|
Research Products
(35 results)