2016 Fiscal Year Annual Research Report
オペラ検出器によるニュートリノの研究 -総括と宇宙線事象解析-
Project/Area Number |
15H02085
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 光廣 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (90183889)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (20377964)
中野 敏行 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (50345849)
小松 雅宏 名古屋大学, 教養教育院, 准教授 (80345842)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / タウニュートリノ / 原子核乾板 |
Outline of Annual Research Achievements |
OPERA実験はタウニュートリノの出現により、ニュートリノ振動現象存在の最終検証を行う長基線ニュートリノ振動実験である。これまでに5例のクリアーなタウニュートリノ事象を検出し、ニュートリノ振動現象の存在を5.1σの有意性で検証した。今年度は、引き続き加速器事象の解析の最終的なとりまとめを行ってきており、これまでに約6000事象のニュートリノ反応を原子核乾板標的中に捕らえた。現在は、タウニュートリノ事象に要求している条件を緩めて、いわゆるボーダーラインに居る崩壊候補事情も含めて、振動パラメーターの解析を進めてきている。これまでに約10事象の候補(バックグラウンド期待値1)を捕らえ、各事象の準詳細解析をすすめ、モンテカルロシュミレーションと比較してニュートリノ振動のパラメーターの推定を推進している。標準的なニュートリノ振動のパラメーターと矛盾しない値を得ている。 また並行して電子ニュートリノ事象の探索を行い、電子ニュートリノ、ステライルニュートリノへの振動解析を推進している。標的上流の電子同定効率の改善が一つの課題で有り、一昨年から稼働を開始した超高速原子核乾板読取装置HTSを駆使して、標的上流イベントから発生した全ての荷電粒子を効率よく追い下げ、電子が存在した場合に発生する電子シャワーを検出する手法の基礎開発を行なった。現在その手法を中性カレントイベントに適用し、その解析を開始したところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超高速原子核乾板読取装置HTSの動員により、解析のラストスパートを行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ボーダー事象を用いた解析、HTSを用いて行う電子ニュートリノ事象の探索を進める。
|