2017 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamics and Function of Polymers at Water Interface
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15H02183
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 敬二 九州大学, 工学研究院, 教授 (20325509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 寿生 九州大学, 工学研究院, 准教授 (50376696)
春藤 淳臣 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40585915)
織田 ゆか里 九州大学, 工学研究院, 助教 (20625595)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高分子構造・物性 / 表面・界面物性 / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は2-ビニルオキシメタクリル酸エチル(VEM)と2-メトキシエチルビニルエーテル(MOVE)とのランダム共重合体(MrV)を用いて、ハイドロゲル薄膜を調製した。特に架橋密度及び温度を変数とした際の薄膜の膨潤状態と表面物性の関係を検討した。 MrV中におけるVEMの含有量は33及び50 mol%でそれぞれの数平均分子量は同程度であった。架橋型MrV(c-MrV)膜は、MrVを基板にスピンコートした後、紫外光を照射することで調製した。VEM側鎖二重結合の消費率は両試料共に約85 %と同程度であった。膜表面は空気中においても水中においても平滑であった。水中における対気泡接触角はいずれの試料においても約130°であったことから膨潤状態にある各膜の表面親水性は同程度であると考えてよい。 ハイドロゲル薄膜の膨潤状態に及ぼす温度の効果を検討した。いずれの膜の膨潤率も温度上昇に伴い徐々に低下し328 Kでほぼ一定値に達した。昇温に伴うc-MrV膜の収縮は高分子鎖の水に対する溶解性の低下に起因する。従ってc-MrVの膨潤状態は架橋密度だけでなく温度によっても制御できるといえる。 c-MrV膜の膨潤状態と表面摩擦特性の関係を検討した。c-MrV表面の水平力は垂直荷重と共に増加し、ある垂直荷重以上では垂直荷重に依存せずほぼ一定値に到達した。水平力が垂直荷重に依存しなくなる臨界垂直荷重をFN_cとすると上記結果はFN_cを境に摩擦のモードが変化していることを示している。垂直荷重によるカンチレバーの押込み深さをフォースカーブから見積もると10 nm程度以下であり、その程度は架橋密度および温度に依存した。以上のことからc-MrV薄膜の水界面における数nmの深さ領域の凝集状態が膜内部とは異なると結論した。水界面における高分子の凝集状態とダイナミクス、また機能性の相関を総括した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(24 results)