2016 Fiscal Year Annual Research Report
触知覚センシングにおける軟組織のダイナミクス・トライボロジー
Project/Area Number |
15H02230
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
平井 慎一 立命館大学, 理工学部, 教授 (90212167)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 春生 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (00374108)
田中 弘美 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10268154)
王 忠奎 立命館大学, 理工学部, 助教 (50609873)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 客員教授 (60220042)
井上 貴浩 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (60453205)
三谷 篤史 札幌市立大学, デザイン学部, 准教授 (70388148)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ソフトフィンガー / ソフトグリッパー / 有限要素モデル / ダイナミックシミュレーション / 触覚 / 滑り覚 / 変形形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,三次元プリンタを用いてソフトグリッパーを試作するとともに,ソフトフィンガーの形態が,把持や触覚センシングに与える影響を調べた. 1. 三次元プリンタを用いて空気圧駆動のソフトフィンガーを製作し,複数の指から成るソフトグリッパーを試作した.ソフトフィンガーは,複数のチャンバーを有しており,空気圧を印加すると一方向に屈曲する.チャンバーの形状や配置,チャンバーの材料のヤング率により,ソフトフィンガーの変形後の形状が異なる.三次元プリンタは,ヤング率が異なる複数の材料から成るフィンガーを試作することが可能である.そこで,様々なチャンバーの配置,材料のヤング率を有するフィンガーを試作した.実験により得られたフィンガーの変形形状が有限要素シミュレーションの結果と一致することを確認した. 2. ソフトフィンガーにセンサを埋め込み,フィンガーの屈曲,フィンガー表面の法線力や滑りを検出することを試みた.三次元プリンタによるフィンガーの製作中に,フィルム状のセンサを埋め込むことが可能となった.フィンガーの屈曲を計測した結果が,フィンガーのダイナミックシミュレーションの結果に一致することがわかった.また,フィンガー表面の形状により,フィンガー表面の法線力や滑りを選択的に検出可能であることがわかった.フィンガーの表面形状を変化させる方式を提案し,微分幾何法に基づきその力学モデルを構築した.さらに,感圧導電布を用いた接触と近接のセンシングを試みた.MEMSベースの触覚センサを試作し,そのセンサを用いて,布表面のテクスチャーの評価を試みた. 3. ソフトフィンガーの内部に磁性体と複数のホール素子を埋め込み,磁場に起因するホール素子の計測値から接触を検出するセンサを試作した.フィンガーの変形と磁場のモデリングを進めた.複数の指先形状を試作し,接触を検出できるかどうかを実験的に調べた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三次元プリンタによるソフトフィンガーの試作,ソフトフィンガーへのセンサの埋め込み,ソフトフィンガーの変形の有限要素解析,MEMSベースの触覚センサやホール素子を用いた触覚センサの開発は,順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
滑りの検出に関しては,フィンガー表面の変形形状により,滑りの検出の感度が異なることがわかり,法線力や滑りを選択的に検出可能であることが判明した.平坦な表面のみならず,様々な表面形状を有するソフトフィンガーを用いることを試みる.さらに,表面と内部の境界部の形状,センサの配置により,触覚や滑り覚が影響を受けると考えられる.有限要素モデルを用いた解析,三次元プリンタで試作したフィンガーを用いた実験の両面から,フィンガーの形態がセンシングに与える効果を調べる.
|
Research Products
(18 results)