2016 Fiscal Year Annual Research Report
特異形状フレキシブルスマートハイブリッドの合成と評価
Project/Area Number |
15H02296
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
余語 利信 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (00135310)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 特異形状 / ハイブリッド / 発熱特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
特異形状マグネタイトナノ結晶粒子/ポリマーハイブリッドの表面制御、多孔化、分子インプリントによる血中老廃物の吸着、磁気的性質および発熱特性の最適化、蛍光分子の導入を行った。 各種各種溶媒に対する溶解度の異なるポリマーからなる原料をエレクトロスプレーし、赤血球状粒子にした後、溶解度差を利用して多孔性とした。 分子インプリンティング技術を用いて、クレアチニンやコレステロール等の血中老廃物の選択的捕捉サイトを導入し、分子血中老廃物の選択的捕捉を検討した。その結果、分子インプリント法により、特異形状粒子が特定の化学物質を選択的に吸着することを明らかにした。 高周波発生装置により、形状制御ハイブリッドの発熱特性を評価し、マグネタイトナノ粒子の粒径、飽和磁化、保磁力などを、高周波発熱に適した磁気特性に制御した。高周波加熱により、特異形状ハイブリッドを分散した生体疑似組織が疾患治療に充分な温度上昇を示すことを確認した。 蛍光分子を、形状を制御した磁性ナノ粒子/ポリマーハイブリッドに含有させ、蛍光イメージングが可能であることを明らかにした。このハイブリッド粒子は自身の直径の半分のマイクロチャンネルを通過し、通過後の粒子の形状は保たれ、破損していないことが明らかになった。これにより、形状可変性と復元性が確認された。この粒子をマウス投与したところ、マウスに異常は観察されず、今後の動物実験が可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特異形状マグネタイトナノ結晶粒子/ポリマーハイブリッドの多孔化を行うことができ、分子インプリンティング法により、クレアチニンやコレステロール等の血中老廃物の選択的捕捉サイトを導入し、分子血中老廃物の選択的捕捉に成功した。 マグネタイトナノ粒子の粒径、飽和磁化、保磁力などを、高周波発熱に適した磁気特性に制御し、治療に必要な発熱特性を付与することができた。また、形状制御磁性ナノ粒子/ポリマーハイブリッドに蛍光分子を含有させ、蛍光イメージング可能なハイブリッド粒子を合成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
形状制御マグネタイトナノ結晶粒子/ポリマーハイブリッドの動物実験により、体内動態を調べ、医療用材料として評価する。 特異形状粒子と球状粒子を合成し、蛍光色素を含有させてマウスに投与して体内動態を調べ、特異形状粒子と球状粒子を比較・検討する。各臓器を取り出し、蛍光イメージングにより分析し特定臓器への集積を調べる。特定臓器への集積などが観察された場合、特異形状粒子に薬物を含有させ、その臓器に集積後、薬物の放出を検討し、疾患の治療を試みる。薬物の放出方法や放出量も検討する。 特異形状粒子の性質を生かした、低侵襲性医療用ハイブリッド材料を開発する。
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