2016 Fiscal Year Annual Research Report
多軸応力影響と繰り返し載荷影響を考慮した船体桁の縦曲げ最終強度評価に関する研究
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15H02328
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤久保 昌彦 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30156848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 大輔 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 寄附講座教授 (10294539)
田中 智行 広島大学, 工学研究院, 助教 (20452609)
山本 元道 広島大学, 工学研究院, 准教授 (30274111)
田中 義照 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (40373419)
飯島 一博 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50302758)
辰巳 晃 大阪大学, 工学研究科, 助教 (60736487)
堤 成一郎 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (70344702)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 船体構造 / 縦曲げ最終強度 / 二軸圧縮下の座屈 / 繰り返し荷重 / 繰り返し硬化 / 流体構造連成 / 流力弾塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
船体の二重底に内外荷重差が存在すると、二重底に曲げ変形が生じて縦曲げ最終強度に影響を与える。また繰り返し荷重下では、船底の高応力部に座屈変形が累積して、縦曲げ最終強度の低下や亀裂の発生につながる危険がある。 本年度は、まず単調あるいは繰り返し圧縮下の薄肉構造要素の座屈・塑性崩壊挙動を解析した。ガルソンモデルを用いた大変形FEMにより、座屈を伴う極低サイクル疲労挙動を解析し、既存の実験結果とよく一致する挙動を得た。つぎに、本研究で実施する二軸繰り返し荷重下の連続防撓パネルの座屈崩壊試験に供する板厚2~3mm程度の薄鋼板の応力~ひずみ関係を明らかにするため、(1)座屈防止治具を用いたダンベル型試験片の圧縮・引張繰り返し材料試験、および(2)板厚程度の幅に加工した超小型試験片の圧縮・引張繰り返し材料試験をそれぞれ実施した。(2)では、画像計測による表面ひずみ分布計測を行い、(1)に比べて妥当な応力~ひずみ関係を取得できることを示した。この結果は、今後の防撓パネルの実験結果の解析に使用する。一方、短軸の繰り返し圧縮荷重を受ける連続防撓パネルの座屈崩壊試験を行い、巨視的には弾性範囲であっても局所的に塑性曲げ変形が累積する現象を確認した。H29年度は、二軸圧縮を含めた試験をより系統的に実施する。 純曲げを受ける船体の縦曲げ逐次崩壊解析法であるスミス法を、船底荷重による二重底の曲げ影響を考慮できるよう拡張した。3次元シェルFEMによる詳細解析との比較により、提案法の精度の良い適用性を明らかにした。また縦曲げ最終強度の簡易算式を開発した。今後は、より多様なサイズのコンテナ船について適用性を検証する。また、ホイッピング影響を含む過渡的曲げモーメント作用下での縦曲げ崩壊挙動に関する水槽試験装置および模型を設計・製作した。平成29年度は、水槽試験の実施と流力弾塑性解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いずれの研究項目も、当初予定通り進捗している。平成28年度だけで、学術論文発表3件と学会発表14件(採択確定分5件を含む)の成果を得ている。平成29年度は、防撓パネル座屈試験とこれに関連する解析、縦曲げ最終強度の実用的計算法の開発とその検証、水槽試験による流力弾塑性挙動の把握と解析法の検証のそれぞれについて、系統的成果を得ることを目的としている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、4機関8名の研究者による分担・連携のもと、順調に進捗しており、今後も定期的な会合を持ちつつ、船底部の多軸応力影響と繰り返し載荷影響を考慮した船体桁の縦曲げ最終強度評価指針の確立、という成果目標の達成を図る。
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Research Products
(17 results)