2015 Fiscal Year Annual Research Report
熱加工プロセスのマルチフィジクス現象を考慮した船舶構造体信頼性評価手法の構築
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15H02329
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
望月 正人 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10304015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 成威 大阪大学, 工学研究科, 助教 (00467531)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 溶接・接合工学 / 熱加工プロセス / マルチフィジクス / 信頼性評価 / 構造性能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,船体など大型構造部の工作時において,切断や溶接,溶接後の熱的な歪取り作業に代表される熱加工時の「材料科学」-「プロセス物理」-「熱加工力学」のマルチフィジックス現象の異分野融合によって初めてもたらされる革新的な構造体品質・信頼性評価手法を開発する.本年度は,マルチフィジックスモデリングによる熱加工プロセスの数値シミュレーション技術の開発を主眼とし,以下のような成果を得た. (1) プロセス物理に基づく熱輸送現象を考慮した溶接温度場解析手法の構築 従来の熱伝導モデルと,アーク・プラズマ熱源モデル,ビード表面形状モデル,溶融池内対流熱輸送モデルを連成させた溶接温度場解析手法を開発し,熱加工部特性への影響が大きい溶融部近傍の温度場特性を高精度に評価できる手法を構築した. (2) 材料科学に基づく溶接メタラジーを考慮したミクロ組織・強度解析手法の構築 溶接温度場解析手法と,凝固組織モデル,相変態モデルなどを連成させた解析手法を開発し,熱加工部のミクロ組織やそれに起因するミクロ強度特性を高精度に評価できる手法を構築し,継手品質.強度信頼性に寄与する材料挙動に注目したモデル化を行った. (3) 材料科学・プロセス物理を融合させた熱加工力学解析手法の構築 溶接温度場解析手法,ミクロ組織・強度解析手法と熱弾塑性解析手法の連成解析手法を開発し,溶接中の熱弾塑性挙動の詳細解析が可能な手法を,各モデルの「逐次」連成解析手法も併せて構築した. (4) 熱加工プロセスのマルチフィジックス解析手法の検証 熱加工プロセスのマルチフィジックス解析手法の比較・検証として,溶接に伴う熱変形・残留応力の計測実験を行い,良好な結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験の結果から条件パラメータを詳細検討する範囲を拡げるために,当初の研究計画のうち,研究内容は予定通りとしつつ,研究期間を一部変更し,翌年度まで延長したが,このことにより,研究計画および研究成果は当初予定通りに達成することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画全体として,おおむね順調に進展していることから,今後も当初予定通りに研究を推進する.
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Research Products
(5 results)