Outline of Annual Research Achievements |
サキ亜科を除くすべての新世界ザル亜科から1種ずつ計6個体[Saguinus fuscicallis(マーモセット亜科)、Aotus azarae(ヨザル亜科)、Sapajus apella(オマキザル亜科)、Ateles geoffroyi(クモザル亜科)、Alouatta Palliata(ホエザル亜科)、Callicebus moloch(ティティ亜科)]を対象に、嗅覚受容体(OR)、苦味受容体(TAS2Rs)、旨味甘味受容体(TAS1Rs)、L/M及びSオプシンの各遺伝子そして中立対照領域に対するターゲットキャプチャー(TC)と大規模並列シークエンシング(NGS)を行い、これらのレパートリー構成を解析した。さらに、別個体あるいは別種の新世界ザル6個体(Ateles belzebuth, Aotus azarae, Saguinus Oedipus, Callithrix jacchus, Saimiri sciureus, Sapajus apella)、旧世界ザル9種9個体(Macaca mulatta, Macaca fuscata, Papio hamadryas, Papio anubis, Cercopithecus mitis, Chlorocebus sabaeus, Erythrocebus patas, Semnopithecus entellus, Colobus polykomos)、類人猿5種5個体(Pan troglodytes, Pan paniscus, Hylobates agilis, Symphalangus syndactylus, Nomascus concolor) に対しTCとNGS解析を追加した。日本人匿名化ゲノム試料6個体をプールした場合と個別の場合で上記遺伝子のTCを行い、NGS結果を比較した結果、プールしても得られる情報量に大きな遜色はないことを確認し、アフリカ系4集団(B.Pygmy, Hausa, M.Pygmy, Chagga)、ヨーロッパ系4集団(Adygei, Dane, Irish, Russian)、アジア系6集団(Aeta, Mamanwa, Batak, Tagalog, Manobo, Ryukyu)の各15個体に対しTCとNGSを行った。 新世界ザルや旧世界ザルの苦味受容体について、TAS2R16については種間の機能差が大きいことがわかった。また、旧世界ザルの甘味受容体について、コロブス類のTAS2R2/TAS2R3は糖類に対する反応がほとんど見られないことがわかった。
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